以前インジェクション化したZ1でも行っていた、フューエルポンプの稼働率制御を、今回のMk2でも行っています。
例えば、低回転や低負荷走行中でインジェクターの噴射量が低い時にはそれ程ガソリンは必要では無いのですが、その状態でもフューエルポンプを全開運転にしたままだと無駄にガソリンを循環させる事になり、ただでさえ発電容量の低いZ系の発電系に負担をかける事と、燃料の温度も上がり気味になります。
この為ポンプに流れる電圧を落とす事で 回転スピードを制御してやります。
必要以上の回転をさせないので、上記の通り消費電力を抑える事が出来るのと同時にフューエルポンプ本体の寿命を延ばす事も出来ます。
ちなみに乗用車ではかなり昔から普通に採用されている技術で、主な目的は燃料ポンプの寿命はもちろんですが、それ自体が発生する作動音を抑える為にエンジン低回転時にはゆっくりと稼働させるのだそうです。
確かに乗用車は密閉空間ですので、特に停車中や低速で走行している際には燃料ポンプ音が少なからず気になる場合があるのでしょう。
この為制御ユニットとして今回も使用しているのは、4輪用の純正部品です。
信頼性は、数万台数十万台の市販車が証明しています。
制御方式としてはPWM制御と呼ばれるパルス幅変調で行います。
ECUから出力する信号で、ポンプコントロールユニットがポンプに流れる電力を高速でスイッチングして相対的な直流電圧を落とします。
こうする事で、電力のロスを少なくしながら電圧を下げる事が出来ます。
(電源ラインに可変抵抗を入れるだけでも電圧を下げる事は出来ますが、それでは抵抗で熱が発生するのみで省電力にはなりません)
設定を弄りながら、思った通りの制御が出来るかを試しています。
ゆっくり動かして約8.3V
中程度の負荷がかかった想定で、約9.9V
全開想定で約13.2Vです。
当然消費電力も増えますが、全開の場合回転数も高くなりジェネレーターからの発電力も増加しますのでバランスは取れます。
電圧の変化で、フューエルポンプが発生出来る圧力は当然変化しますが、フューエルプレッシャーレギュレーターがインジェクター部を含む燃料ラインの圧力を一定に保つ様に作動しています。