シリンダーヘッドに組み付けして、キャブレターを固定する為のZ1000J系インシュレーターです。
カットするとわかりますが、ボルトで固定する事が出来る様に金属板を内蔵する様に耐熱ゴムで加硫成型されています。
この鉄板の形状ですが単純な平面では無く、プレスにより内側に窪みが作られている、手間のかかる形状です。
さて、Z系の純正インシュレーターは、シリンダーヘッドのシールをOリングではなく、本体のリップを当てて密閉する様になっていますが、この窪みを作る事でリップ部分の柔軟性の為にゴムの厚さを持たせる事と、プレート自体の曲げ剛性を上げる事で上下を締め付けても歪まない様にされているものと思われます。
又、加硫されたゴム側との接触面積が少なからず増える事で、剥がれに対しても有利になるのでしょう。
ちなみに左側のは海外で販売されている社外インシュレーターのカット。 右は純正品から取り出したもの。
内部に鉄板が入っているのは純正同様ですが、プレスによる窪みは無く、表裏とも平面になっています。
この為、シールリップ部のゴムは非常に薄くなっています。
輸入された車両に使用されているのを何度か見た事はありますが、純正インシュレーターに比較しても割と早期にシリンダーヘッドとの合わせ面が委縮硬化や歪んでシール効果が低下、そこから二次空気を吸ってしまいエンジン不調になるのは ゴム質の違いはもちろんとして この内蔵プレートの違いもあるのでしょう。