Z1からZ1000Mk2迄のZ系でKZ1000と呼ばれる系統のエンジンは、1977年度から1980年度の4期に渡ってデリバリーされています。
ちなみに同じ排気量でも、前期の1977,78年と 後期の1979,80年とでは明確にシリンダーブロックの仕様が異なります。
代表モデルでは丸型ガソリンタンクのZ1000( KZ1000A1, A2)と角型タンクのZ1000MK2(KZ1000A3,A4)となります。
こちらはA1,A2
シリンダーブロックの下面、スリーブが出ているところにオイル上がり対策の為と思われる細いOリングが入りますのと、Z1系の900シリンダー同様、ブロックのエキゾースト側(前方)とインテーク側(後方)の両方に、ブロック下面からの穴状の加工が施されています。
こちらはA3,A4
解り易くするのにスリーブを抜き取ったブロックですが、下面の形状からわかる様にOリングは使わない構造になっています。
又、この年式のブロックから後のJ系もそうなのですが、ブロック下面からの穴状の加工はエキゾースト側(前方)のみに施される様になりました。
ブロックの優劣につきましては、長年使われている場合消耗の程度による差の方が大きくなる為どちらがというわけでは無いのですが、1979年以降は明らかに設計の思考が変更になっている様です。
ちなみに、これは当方の経験上による印象なのですが、シリンダーブロックの鋳物に混入している巣については、78年以降のものの方が表面に出てくる割合は多い様な気がします。
ちなみにこのブロックの下面は、新品時のまま弊社で面研等は行ってはいないものです。
ブロック下面にこのレベルで巣が生じている場合、その位置やベースガスケットのタイプによっては、オイル漏れや滲みの原因になるものがあるかも知れませんね。