弊社で製作するパーツの中には、仕上がり後に表面硬度を測定する必要のあるものがいくつもあります。
設計中や開発中においては、仕様通りの硬度になるかどうかの測定は外部機関に委託して正確にチェックを行うのですが、量産品の仕上がりチェックをする為に現場で簡単に測りたい場合は写真の様な簡易測定工具を使用します。
原理としては至極簡単なもので、段階的に硬度の違うヤスリを対象物に擦って、傷が付けばその表示を下回る硬度と言う事です。
HRC硬度では5刻みの測定となりますが、絶対値の測定出なければ充分なので割と使っています。
ちなみに、これは発売を目指して表面処理の試験中の弊社カムシャフト。
既に形状の仕上げ確認は出来ており、長く使う為に施した耐摩耗処理の比較検証段階です。
例えば、これはカワサキ純正のカムシャフト。
鍛造クロモリ材に焼入れ処理が施されています。
HRC55では擦り痕が残る位ですがHRC60の測定ロッドで擦ると、明確に傷が付きます。ちなみに専用の硬度測定器で測るとHRC56~57あります。
これは、現在テスト中の表面処理を施した弊社の先行量産品
母材の製法は純正同様に鍛造材に焼入れですが、更にその表面に処理を施しています。
この為、HRC60の測定ロッドでは削る事が出来ず、HRC65でやっと傷を入れられる程度です。 実際に測るとHRC62となりました。
表面硬度は高ければ必ずしも良いと言う事は無い場合もありますが、まずは目標硬度に仕上がっている事が確認できます。