これは当時ものオリジナルのZ1系左ハンドルスイッチのコネクターです。
ここに使われている端子は、110サイズと呼ばれる自動車用の非防水コネクター端子としては非常にメジャーなものですが、現在一般的に入手可能な110端子ではメス端子側が接触面積を大きくして通電容量をアップされたものとなっています。
並べてみると、オス端子は形状サイズ共に違いはありませんが、メス側が大きくなっているのがわかります。
メス端子正面から見たところ、銀色の最近のタイプは内部に折り返したプレートがあるのがわかります。ここが面でテンションをかけながらオス端子に接触する事で通電容量を稼いでいます。
又、端子の接触面の抵抗を下げるには、ある程度のテンションによる圧力が接触面にかかっている事が望ましいのですが、新しいものは経年劣化による圧の抜けが起こり難い形状になっています。
各々を挿し込んだところです。
メス端子を挿し込む側のコネクターも専用のものに変更されていますが、外周のサイズは同じな為、こちら側のみを変更しても旧来の相手側ソケットとの互換性はあります。
110端子は、ハンドルスイッチのみでなく、Z系年式から90年代位迄の車両のヘッドライトケース内部のキーシリンダーやインジケーターのソケットにも使われていますが、電流量の大きな部分では接触面で熱が発生してコネクターが焼きついてしまう場合がありますので、補修や配線加工でコネクターを作り直す場合には、メス端子は今時の大きなものに変更してしまう場合が多いです。
ちなみに端子の色ですが、金色なのは表面処理の無いもの、シルバーのは主に錫メッキ処理してあるものです。
新品時の電気抵抗は無処理のものの方が若干良いのですが、長年使用すると表面が酸化して錆を発生させてしまう為、現在では錫メッキのものを使用します。