PCを新しい物に移行するついでに写真を整理していたら出てきました。
当初は、ジェネレーターカバーをレーサーの様にバンク対応加工するのに溶接で行った場合、歪みに注意して非常に気を使った加工作業を行わねばならないのと、加工面を3次元的な形状にするのは非常に難しいという事で、どうせなら丸ごと削り出してしまえば溶接歪みの心配も一切無く、肉厚もバンク時の対地角度も3次元で自由自在と、知人と盛り上がりながらじゃあちょっとやってみましょうとデザインと試作を始めたものです。
ただ、見ての通り一体で削るには相当に巨大なアルミの塊から削り出す必要がある事と、写真の様に試し彫りでピッチも粗くしたとしてもマシニング工数がとてつもない時間がかかって(外も内も3次元に削るわけですので)価格的にどう考えても販売出来るものでは無い上に、総削りである事による性能的なメリットが殆ど無いと言う結論となって没となりました。
何せ削り出しですので、いくら作っても単価は殆ど下がらず量産効果も見込めない自己満足製品となってしまいます。
又、ジェネレーターカバー自体を削り出して強度を持たせると、むしろカバーが破損する程の転倒時にはクランクケースの方がダメージを受けてしまう可能性がある程です。
この様に弊社では色々な製品を企画製作していますが、日の目を見ずに没にしたものは結構な数になります。
結局それから数年の時間が経って、これらのデータは鋳造のカバーの内部仕上げ加工用に転用されました。
ちなみにこの鋳造のカバーでは、万が一路面に接地させたり転倒して滑っても、サイド側の面部分は容易に穴は開かない程度の肉厚としていますが、大きく打撃を受けた場合はクランクケースよりなるべくカバーが先に割れる程度の強度としています。