これは弊社ジェネレーターコンバートキットに使用しているステーターコイルです。ちなみにZ系のジェネレーター廻りを整備して経験のある人であればすぐに気付きますが、コイルから出ているコードが随分と長い事に気付くと思います。
何故こんなに長いかといえば、発生した電力をロスなくレギュレーターに接続出来る様にと言うのが主な理由です。途中にコネクターや端子を多くすると、その接点部分の抵抗でロスが起こってしまう為です。
又、運転中のエンジンのステーターコイルから流れ出てくる電流はかなりのものになりますので、僅かな接点抵抗でも熱が発生します。 Mk2系やJ系のノーマルの様にジェネレーターカバーのすぐ外のスプロケットカバー内部で接続している場合、その周囲の温度が高い事との相乗効果で端子部分の焼けが発生します。
ちなみにこれは割と程度が良い車両のものですが、かなり焦げています。
こちらは、新品ステーターコイルと新品ハーネスで組んで僅か3,000km走行してのものですが、その内一つの部分に既に焼けの兆候が見られます。
これ位になると末期的です。
ちなみに熱は端子の接点部分だけでなく、かしめられている銅線表面が腐食してもそこに抵抗が生じますので、かしめ部分でも発生します。
さて、弊社ではジェネレーターコンバートキットはもちろん、Mk2系用のステーターコイルに、この様なガラスチューブをサービスで付属させています。
温度の高いところでコードを保護す事が出来ますが、これを何に使うかと言うとですが。
例えばこれはZ1000MK2やFX-1のメインハーネスです。
このジェネレーター方向へ伸びる部分、黄色いコードはステーターコイルに繋がる3本のコードで、残り2本はオイルプレッシャースイッチと、ニュートラルスイッチです。
例えばステーターコイルからの配線を、最初の様にレギュレーター迄直結したとすると、このメインハーネス側の黄色いコードは不要になります。
この場合、余計な配線は撤去出来ますので、そうするとメインハーネスからは残り2本のスイッチ用コードしかエンジン側に伸ばす必要はありません。
その場合に2本のみを通した物に作り替えられる様に、このガラスチューブを付属させています。