先日、再生産の仕上がりと入荷を報告した、HFバルブ Alpha。
インテーク、エキゾースト共に1mmずつのオーバーサイズとなっており、今回ロットよりバルブの傘形状をより現代的なものに変更した旨をお知らせいたしました。
具体的な比較写真ではこんな感じです。外径こそ同じですが、別の車両用ではないかと思えるほど印象が変わりました。
左側が前回迄の、右側が今回よりの生産分となります。
内側の窪み部分がより大きくなっているのがわかります。
これにより、バルブ面を含む燃焼室側の必要以上の凹凸を小さくする事が出来ます。
もちろん、ただ外径を拡大するとその分圧縮比の低下を招いてしまいますので、この窪み分の容積が同じになる様に計算してその分深さは浅くなっています。
又、傘のポート側についてはインテーク側のシートリング当たり面上部の形状を現代的に変更し、全体的なスロープは変更せずに薄側一枚分薄くしています。
この為、シート当たり面に比重の大きなステライトを盛り込みながらも従来のタイプから7パーセント、約4グラム軽量化しました。
同じサイズのZ1000J,R用の純正インテークバルブより約3グラム軽く、1mm外径の小さな弊社STDサイズのPlusモデルと重量は変わりません。
又、たまにご質問を受けるのは、HFバルブの全てのモデルで施してあるステムのウエスト化について。
ポート内を通る部分を細くする事によって、フロー率を向上させる為の形状ですが、それによって強度の不安は無いのでしょうかと言う事です。
実は、このウエスト化はバルブ全体を一体で鍛造成型する製法によって成り立っています。
大量生産を行う純正バルブの場合、バルブステムと傘部は別に製作され、最終的に双方の断面を圧力をかけながら摩擦させてバルブの形状に熔着させる摩擦圧接法が採られる事が多いです。
但し、この場合は強度面の観点から接合部分近くを細くする事が出来ません。
少量生産の為の一体鍛造だからこそ強度の不安無くウエスト化が可能となっています。
さて、現在同様の手法を用いて、リクエストの多かったZ1000J,R系用のオーバーサイズバルブも進行中です。
インテーク側は1mmプラスの38mmとエキゾーストは同0.5mmの32.5mmとする予定です。
こちらの状況は別途お知らせする様にいたします。