これは昔からよく見るフューエルコネクターです。
ほぼワンタッチで脱着が可能で抜き取った際には燃料もこぼさずにシャットダウン出来るカスタムパーツとして、量販店で売られている場合もありますし、ネット通販等で出ている場合もありますので、使われた経験のある方も多いのではないかと思います。
このメーカーのものは一部ヨーロッパ社の純正パーツとしても使われているのですが、使用目的によっては水やその他の気体、液体用としての供給もされていますので、ボディはもちろんシールの仕様も様々なものがあり、中にはガソリンの使用には適していないタイプのものがフューエルライン用として販売されている場合も多いのでご注意ください。
例えばですが、耐ガス性の無い内部外部のOリング仕様の場合、ガソリンを通しておくと膨潤してしまいますので、それでソケットを抜いて戻そうとすると、容易には挿し込めなくなったり、内部のパーツが外れてしまったりします。
(実際に内部のOリングが膨れた為に流れを止める為のバルブが抜け飛びました)
ガソリンでOリングが膨らんではみ出してしまっているのがわかります。多分これはガソリン用ではなく、水等を通す仕様のものではないでしょうか?
一緒にセットになっていたスペアのOリングとの比較ですが、明らかに大きくなっているのがわかります。
ちなみに、乾燥させるとある程度元の大きさに戻るのですが、その際に多少硬化してしまうのと、抜いたり挿したりをすぐに出来ないのは少々困りますし、そもそも可燃性のガソリンを通すのにシールの信頼性不足は危険です。
さて、こちらはあまり日本国内では見ないタイプの全金属性タイプですが今回取り寄せしました。
こちらのものはフューエル専用として、内部シールとソケット部分のOリングは、純正のフューエルラインにも使用されるバイトン製(フッ素系ゴム)ですので、ガソリンで膨潤する事も無さそうです。実際にガソリンに漬けっ放しにしてテストしてみましたがシールの変化はありません。
樹脂製のものより多少重いのですが、何度脱着しても容易に破損しない強度とかなり高い耐圧性があるのと、金属製パイプの為、強度を持たせても肉薄にして内径が大きくなっているので、ガソリンの流量の問題も無さそうです。これであればキャブより多くのガソリンを通す必要のあるインラインポンプ方式でのインジェクション化でも使えるかと思います。
オートバイの場合、整備の為にフューエルタンクを頻繁に脱着しますので、今後のインジェクション車両にはこちらのものを使ってみようと思います。