数年前に腰上OHをお任せ頂いたZ1。
出先にて走行中突然後輪がロックしたとの事で、転倒は免れる事が出来たのは不幸中の幸いです。
スプロケットカバーを外しドライブスプロケットを前後左右に揺すってみます。この時点でほぼ後輪ロックの原因が特定できました。
スプロケットを外し更にミッションカバーを取り外します。カラコロン!っと何かがオイル受けに音を立てて落ちてゆくのがわかると思います。
拾い集めてみたこの鋼球はアウトプットシャフトを支えるベアリング球ですが、経年劣化等によりベアリング球を支えるリテーナーが壊れ、この球が外へ飛びしてしまう事によりアウトプットシャフトを支持不能になるというもの。過去にも数件症例はあるもののレアなトラブルケースです。
ご覧の様に全てのベアリング球は抜け落ち、支えを失ったシャフトは上下左右へと暴れまわる事で、本来のトランスミッションギアの噛み合いが保てなくなりロックという流れです。この場合トランスミッションへのダメージはある程度覚悟しなければなりませんが、クランクケース自体にダメージが及んでいない事を願うばかりです。
これよりクランクケースを分解し確認作業に入ります。