Z系エンジンのギアチェンジシャフトです。
ノーマル車であればチェンジペダル、バックステップ装着車であればギアチェンジボスが取り付く部分です。
このシャフトのスプラインのピッチや溝数形状は軸断面については規格品で、カワサキのみならずホンダやヤマハ等、他社のバイクでも同じ規格のスプラインシャフト使っている車両は多いです。
但し、溝断面は同じなのですが、軸方向の寸法は同じZ系でも結構年式毎に違いがあります。
下のシャフトは全てJ系を含みZ系のものですが、ペダルを固定する為のクランプボルトを通すくびれの位置や深さ、スプラインの奥側(写真では細かい溝の左側)の幅や、そこからメイン軸太さに至るまでの勾配長さが年式毎に結構違う事がわかります。
これらの形状の細かな違いは、純正ノーマルの直付けチェンジペダルの場合はあまり問題にはならないのですが、弊社を含むバックステップに付属しているチェンジボスを装着する場合、極初期の車両に装着されていたシャフトについてのみ注意が必要なものがあります。
この写真のものが最初期のシャフトですが、汎用シフトボスの場合しっかり奥迄入れないと、クランプボルトがスムーズに入っていきません。
その場合ボルトとシャフトのくびれ位置が合っていないので、ボルトとシャフトが干渉しています。それを無理にボルトを回して締め様とすると、ボルトやチェンジボスはもちろんの事、シャフト側のスプラインも潰したり歪めてしまったりしますので、注意してください。
ちなみに、チェンジボスがきちんと奥迄押し込まれて、くびれ位置とボルト位置が合っていれば、クランプボルトは工具を使わなくとも指先で回すだけでスムーズに入れる事が出来ます。
最低でもボスとシャフト先端がフラットになるか、シャフトが僅かに出るくらいでなければボルトはスムーズには入りません。
簡単に回せない場合は、チェンジボスが奥迄ちゃんと入っておらずに軸方向の位置が合っていないか、スプライン側が痛んでいるかの理由があります。
決して無理矢理に工具で回して締めてやろうとなどしないで下さい。
ボスのネジ側やシャフトのスプラインも潰してしまう可能性があります。
何せ、純正のギアチェンジシャフトアッシは、もう廃盤で入手が出来ないのです。
弊社も少し前迄は、Z1000J系の純正(上の写真のシルバーのロッドがそうです)が購入できておりましたので、これを使いシフトドラムを回す為の爪をZ系のものに入れ替えてZ系の修理に使っていましたが、それも先日販売終了になってしまいましたので。
又、よく見られるのは、クランプボルトの締め過ぎです。
ペダルやボスの緩みを嫌ってか、必要以上に強いトルクで締めると、スプライン穴が変形して脱着がスムーズに出来なくなったりします。
チェンジボスは、純正の車両でもアルミで製作されているものも多い位ですので、緩まない程度に適切に締めてやれば十分です。