J系フレームにEFI(電子式インジェクション)化の為の燃料系他のレイアウト。
この車両の場合は、純正のバッテリーケースが取り外されおり、更にキャブ部分後方のフレームパイプ間に横に渡すタイプの補強やカバープレートが入っている為、以前に製作した弊社のZ1000Jで使ったポンプ周りレイアウトフォーマットが使えず、異なった配置や組み合わせ方で全てをやり直す必要があります。
ちなみに現行の純正EFI車の様にフューエルポンプが燃料タンク内となるインタンク方式の場合、燃料系のストレーナーやポンプ本体にフューエルレギュレーター迄が収まってしまうので、EFI化の際のレイアウトはシンプルで良いのですが、Z系もJ系もタンク下面の形状から加工してもなかなかインタンク化が難しい為、80年代の純正DFIと同様に外装式のインラインポンプ方式となる場合が多いです。
この為、これらの割と容積のある部品を車体に収める必要があります。
J系バッテリーケースは既に販売終了している為、今回は茨城のTOPENDさんから販売されている小型タイプをベースに加工します。
ちなみに横から見た場合にバッテリーケース周りがほぼサイドカバーの内側に隠れる為、すっきりします。
これで、各種デバイスをケース下に置いては、横からの景色が台無しになるので、ポンプはバッテリーケースの斜め下、クランクケースの後方でフレームに隠れる位置に置きます。
フューエルポンプは2012年迄販売されていた乗用車用のインラインタイプを新品流用です。
最初はケースのすぐ後ろの割と低い位置になったのですが、エンジンからの熱を受け易い事と、燃料ラインがドライブチェーンに当たりはしなくとも近くなる為、飛散したチェーンオイルが付着するのはあまり気持ち良くないです。
結局バッテリーケース側を一部加工して、数cm後方、上方にマウントし直して横方向にもずらしました。
加圧されたフューエルのアウトプットはドライブチェーンからしっかり離して、フィード側のホースもフレームからクリアしています。
各種のデバイスは、寸法採り用の仮プレートにあれこれ組み合わせながら、燃料ホースの曲がりや取り回し、整備の為の分解手順等も想像しながら位置決めします。
最終的に位置が決まったら、本番のプレートに寸法を写したものを切り出して組み付けします。
上から見えるのは、左からイグナイターとフューエルプレッシャーレギュレーター。その下には加圧された燃料のサージタンクを兼ねるフィルターとなります。
本格的なフルオーダーのスーツを職人に依頼すると、本番で縫い上げる前に何度も繰り返し仮縫いでのフィッティングを繰り返すとの事。
オートバイのあまり寸法的余裕の無い場所に、何十回も脱着を繰り返しているとその話を思い出しました。
Z系車両のEFI化は既に何台も行ってはいますが、フレーム補強されている場合も結構多く、同じレイアウトで済まない場合は多少これらの様に切ったり貼ったりで考えながらの作業で時間がかかる場合が多いです。
もう少しデータがあればとは思いますが、この辺りがEFI化作業が大体いくらで出来ますとはなかなか容易に答え難い理由でもありますね。