ここ最近、何人かの方より問い合わせをお受けしたのですが、弊社でZ1からZ1000mk2系用にラインナップしていますジョイントリンクカムチェーンが、同時代のZ650に使用できませんかと。
確かに1977~1980年迄のZ650系エンジンのカムチェーン周りは、パーツリストを見る限りはZ1系にそっくりです。
当方でもかなり以前に数機、エンジンをオーバーホールした経験はありますが、その際には純正カムチェーンを取り寄せて使用しており。又、Z系と形状は似ているもののパーツリストにはカムチェーンの規格表記も無く、しかも古い資料では表記ミス等も少なからずある為、現物での確認が間違いないという事で、お客様ご自身のカムスプロケットをお借りしてみました。
結論から申し上げますと、 見た目こそ似ていますが Z650 のカムチェーンはピッチが僅かに長い8.0mmで、Z1系は7.774mmの別規格品です。
Z系の219と呼ばれる規格のカムチェーンを巻いてみると、ピッチが違う事があらためて確認出来ます。
こちらはZ1
こちらはZ650のものです。
ピッチが違う為、スプロケットの外周にチェーンが当たりません。
調べてみたところでは、Z650 に使用されているチェーン規格はDIDであれば05T と呼ばれるもので、純正部品は既に販売終了していますが、海外では日本製のものが若干アフターマーケット品として流通している様です。
但し、それ用としてはカムチェーンのジョイントリンクは用意がありません為、そちらのものを使用するにはエンジンをクランケース迄分解する必要があります。
Z650よりのザッパー系と呼ばれるエンジンは、この後1980年頃に750㏄クラスにアップデートされた際に、Z系エンジンがJ系になった際と同様にサイレンとカムチェーン化されました。