ファクトリー内の改装と同時にストックパーツの方も整理しています。
トランスミッションのギアも使用可能なものを分別して、単品になっているギアは探しやすい様に分けています。
ところで、J系のミッションギアは、初期のZ1000JやZ1100GPにZ1000Rものと、Z1100RやGPz1100に使用されたものとでは一部に互換性がありませんから注意が必要です。
GPz1100になった際に、3速ギアのみが歯数が変更され(減速比は殆ど変化無くギア歯の耐久性向上が目的と思われます)、更に3速以上のギアドッグには抜け難い様にアンダーカットが施されました。
こちらは初期のインプット側TOP
ドッグ部分は鍛造肌のまま。
こちらはGPz以降のTOPギア
ドッグ部分にアンダーカットの為の削り加工が入っています。
並べてみるとわかりますが、TOPギアに関しては減速比に変更はありませんでしたので、歯数は同じで一見同じにも見えます。
問題はこの違いが理解されていない場合も割とある様で、J系も生産されてからそれなりに経過して腰下迄分解整備された車両も多いせいか、中古車両を分解すると、ミッションギアが初期型と後期型が混ざって組まれている様なものもたまに見るという事です。
ちなみに、後期型に使われているアンダーカットギアには、センターに識別の為の溝が切られています。
さて、前期と後期で異なるギアが使われているのは、インプットシャフト(クラッチハブが装着されている側)では、3速、4速、TOPの3つ
アウトプットシャフト(スプロケットが着く側)では3速とTOPの2つです。
これらのギアには、全て識別溝があるか、もしくは無いかの組み合わせとなっている必要があります。
過去の整備履歴が全て把握出来ていないエンジンの場合は点検をお勧めします。
以前に真面目に整備しギアを交換して組まれた筈が、間違っている場合もありますので。