EFI(電子式フューエルインジェクション)の場合、いくつかの温度や圧力他のセンサーが使用されており、ECUはそれらから取得されるデータを元にエンジンの運転状態を知り、状況に応じた燃料や点火をリアルタイムに微細な制御を行います。
さて、これらのセンサーです。
車両側に使っているものが既にデータシートが付属する様な例えばBOSCH他の会社の汎用品であったり、そういったものを新規に組み込むのであればよいのですが、車両に装着されている純正部品のセンサーをそのまま使用したり、他車のものを流用した場合にはそういったデータがありません。せいぜい故障診断の為に例えば温度センサーなら何度の時に抵抗値何Ωと言った最低限の数値が2つ程度当該車種のマニュアルにある位で、温度に対する抵抗値や出力電圧が非直線でリニアになっていないカーブ特性を持つような場合は、実測してそのデータをECUに入力してやる必要があります。
そこで例えば温度センサーの場合、液体に入れて各段階の温度に対して抵抗値を測定します。
よくサービスマニュアル等では温度指定した水を使う場合がありますが、自分が全領域の抵抗測定に使うのはオイル、但しエンジン用ではなく食用油です。
何故かと言えば、水の場合0℃から100℃以上のレンジが測れませんが、エンジンの温度や吸入空気温度は−20℃~最大200℃と幅が広いからです。
高温を測る場合にガスやヒーターで温めながら行うと、液体であるオイルは対流が激しくなり、センサー廻りの正確な温度が判り難くなる為、最初に200℃超迄熱した後に加熱を止めて、しっかり攪拌しながら徐々に下がる温度毎にセンサーの抵抗値を測定します。
この際、食用オイルだと適度な粘性で攪拌し易い事と、水に比べて比熱の関係で温度の下がり方が緩慢な為、慌てずデータが採取出来て便利です。
こちらはヘッド温度センサーと吸気温度センサー。
使用レンジが違いますが、室温~100℃位であれば一緒に測定出来ます。
さて、何故にエンジンオイルでなく食用油かと言えば、他にも理由があります。室温より低い温度から−20℃程度迄のデータを採るにはオイルを冷やす必要があるのですが、冷凍庫で冷やす場合食品を入れる場合もある場所にエンジンオイルの入った容器は入れかねると言う、現実的な問題があったりするのです。
食用油だと、気にせずに入れる事が出来ます。