Z系エンジンのシリンダーヘッドのカムシャフトを保持するカムホルダーです。
2か所のカムジャーナルを左右連結されている一体型タイプで、最も外側のカム山はカムホルダーの外になります。
これがシリンダーピッチのわりにヘッド左右長がコンパクトなZのエンジンデザインの理由です。
ただ、位置決めの為のドエルピンは、4か所のボルト穴の内の対角線上の2か所となっています。(写真だと左上と右下の穴にのみドエルピンが入ります)
この為、長年使用した場合熱や応力でドエルピンが入っていない方が外方向に開く様に歪む事があり、それが為に元々一体で加工されている筈のオリジナルのカムホルダーが装着されているにも関わらず規定トルクで固定するとカムが回らなくなる様なシリンダーヘッドもあります。
カム回転が渋くなっているのは、特に発生熱量の大きなエキゾースト側によく見られますが、このヘッドは特に問題無く、大丈夫な様です。
念の為も兼ねて潰れ幅でクリアランスを測定するプラスチゲージを使って、カムのジャーナルとメタルのクリアランスを測定。
全箇所共、0.020強~0.025といったところです。
サービスマニュアル上での基準値が0.020~0.070とされていますので、良い感じですね。