オイルポンプは言わば心臓と同様、潤滑の為のオイルをエンジンの各部に供給する為の非常に重要な部品です。
しかし、運転中は常に回っている事と、フィルターを通す前のオイルがその内部を通る事もあり本体自体も摩耗消耗するのですが、約3年ほど前に純正パーツが販売終了となって新品が入手出来なくなってしまいました。
それ以降、弊社でもこの必須とも言えるポンプについては何とか供給用意出来ないかとプランニングと試作を続けてきましたが、ようやく発表の目途がつきましたので、ここに公表させていただきます。
ボディ及び基本構造は純正に近い形状とし、圧送方式も脈動無く連続的にオイルを供給出来るギアとしていますが、各部に最新技術を盛り込みました。
まず基本圧送量を、オイルクーラーの装着やエンジンのチューニングを見込んでギアの幅やボディとのクリアランスを見直して増量しています。
又、ポンプシャフトの軸部には純正には備わっていない非接触タイプのメタルブッシュを採用していますが、この部分はPC等に使用されるハードディスクの軸部同様の技術を投入したエアによるフローティング構造となっている為、理論上の摩擦力が発生しません。
従ってポンプギアは驚く程軽い力で回転し、低フリクションとなっています。
更に、ギアをシャフトに対してフローティング構造とし、内部に組み込まれたクラッチを断続させる事でエンジン回転数に対して無段階に回転数を制御出来る様にしています。
最も大きな特徴は、ポンプ背面に装備した各種のセンサー持つAIコントロールユニットです。
ポンプ本体ももちろんですが、実はこのユニットの存在こそが最大の特徴であり、開発に最も時間を費やしました。
油温、油圧、オイルの粘度、消耗度、エンジン回転数や加速度や車体の傾斜角度等、各種センサーからのデータに基づいて、AIが現状の運転状態を把握した上でその瞬間毎にエンジンに必要なオイル量を判断し、前出のギアクラッチを制御する事で圧送オイル量を制御します。
これにより、常に必要なオイル量を供給しながらも、ポンプ自体のエンジンに対する負荷が激減し、通常ロスされるエンジンパワーが駆動力に使われる事で全領域でのレスポンス及びパワーアップと、高効率化により燃費も大幅に向上します。
又、ユニット自体にはbluetooth が備わっておりますので、専用アプリをインストールしたスマートフォンやPCで制御パラメーターの設定変更を行ったり、現状の油温や油圧,回転数等の制御状態をモニターやロギングする事も出来ます。更にオイルの成分も常時監視していますので、オイルの消耗状態から交換時期等についてもアラートを送る様になっています。
ちなみに、ユニットから出ているケーブルはAIの稼働電源も兼ねていますが、内部のサーボモーターにも繋がっています。
これによりエンジン始動前にもキーオン時にバッテリ―電源でポンプを稼働させて事前にオイル供給を行う事で、始動時の各部摩耗を防止する仕様になっています。
さて、大変高性能な制御機能を持つこのオイルポンプですが、制御ユニットを生産するライン確保の関係で、1ロット毎にオーダー期間を限らせていただき、その間に受注したロット数毎の生産とさせていただきます。
従いましてオーダー受付は本日4月1日24時迄とし、メールもしくは弊社お問い合わせフォーマットより取り付け車両を記載した上でお願いいたします。
お電話が集中する可能性があります為、お電話にてのお問い合わせやオーダーをお受けする事は出来ませんので、予めご了承くださいませ。
pams@jy.ejnet.ne.jp