バックオーダーになっておりました、PAMSオートカムチェーンテンショナーのボディが加工とアルマイトから仕上がってきました。
ちなみに最初期のロットの物には入っていなかったのですが、以降のボディにはPAMSロゴが入る様になっています。
元々弊社で製作するパーツにはロゴが入っているものは少なく、 他のパーツに関してもそうなのですが、このカムチェーンテンショナーの様な物の場合純正のZ1系と組付け時やセットアップ方法が異なりますので混同される事の無い様、又、使用方法や補修パーツを入手される際に問い合わせ先が判る様にする事を目的にしてあえて製造元がわかる様にと入れる事としました。
組み立て済みのインナーロッドアッシ。
ワンウェイ機能の肝になる、ボールベアリングが組み込まれたリテーナー構造は、純正のZ1000Mk2や市販レーサーのZ1000S1等に使用されたものと理屈や構造は同じですが、ボール数を当時の物より増やす事で圧力を分散して耐久性と耐荷重を向上させています。
この為強力にテンションがかかっても容易に滑ってロッドが押し戻される様な事がありません。
ロッド先端のゴムは、シリンダーブロックやヘッドを構成するエンジン上部が膨張する事で生じるカムチェーンの張り変化等を吸収し、内部部品を保護します。
窪み部分に圧入接着してある為、見える部分以上に肉厚になっています。
オートテンショナーでここがゴムでなければ、負荷はカムチェーン自体やアイドラー、ローラー、そしてそれらを支えるシャフトが固定されているシリンダーブロックやヘッド側にかかってしまうと考慮しての事です。
この為、ある程度使用した先端ゴムはMk2系純正のもの同様に変形して窪みます。(変形の上剥離してもカップリング構造の為運転中に脱落する事が無い構造です)
あえてこのゴム部分を消耗部品としてストレスを吸収する様になっているわけですが、 ロッド側は MK2時代の純正に比較してそれを大幅に上回る硬度と耐久性がありますので、ゴムのみ交換出来る構造として予備のものを付属させる様にしています。(単品での別途購入も可能です)
又、これは大事な事なのですが、こちらのオートカムチェーンテンショナーは、純正のZ1系のセミオートテンショナーの定期的なメンテナンスや調整が必要な部分をメンテナンスフリーにしたり、補修部品の入手が出来ないMk2やFX1の純正オートテンショナーの代替品としてより耐久性のあるものをと考えて製作したものです。
前提として、エンジンインナーのカムチェーンやアイドラー、テンショナーアームが正常に整備維持されている状態で使用するものです。
例えば純正のカムチェーンテンショナーが正常機能しているにも関わらずカムチェーン周りの異音が発生している状態は、既にエンジン内部でそれらの破損や消耗の発生が考えられますので、それらの音が発生している場合必ずご相談して原因を修理や整備された上でご使用下さいませ。