4月に入りました。時間が流れるのは早いものですぐにGWがやってくる事とは思いますが、そうなると気温が高くなる日も多くなり、空冷エンジンであればオイル温度が気になる様な状況も増えて来ると思います。
そのオイル温度をチェックするには電子式の油温計を装着されている場合が通常かとは思うので、今回はその見方について。
これは油温計のセンサーです。各社から様々な油温計が販売されていますが、Z系J系ではシリンダーブロック4番側後ろのケース側にある油圧測定用のプラグ部分に取り付けられているものがメーカー問わず多いです。
このセンサー内には抵抗素子が入っています。温度によってその抵抗値は増える方向に変化しますので、それをメーターユニット側で測った上で温度を推定して表示します。
ただ、このセンサー自体とその装着方法を見るとよくわかるのですが、実際に測定される温度はこの奥を流れるオイルはもちろん、シリンダーブロックの装着されているクランクケースの熱もかなりセンサーに吸収されます。
又、走行速度によって流れる風は一体型のセンサーボディ(このセンサータイプだと赤いアルマイト部分)そのものを冷却します。
速度が上がれば当然その風量は増大しますので、実際にはオイルの温度そのものを表示しているわけではありません。
例として、オイルラインを流れるオイルの温度は30秒やそこらで大幅に上下するものではありませんが、ある程度の速度で走ってきて信号等で停止するとメーターで表示する温度はみるみる上昇します。 エンジンの温度としてデータ比較をするのなら、外気温に走行速度と回転数も同じ条件で一定速度で走行した場合でなければなりません。
従ってこのタイプのセンサーを使う油温計の数値は、 オイル温度そのもののを正確に表しているものではない事を承知の上で見る必要があります。
ケース部分の温度でエンジンがヒート気味であるかどうかの判断材料にされると良いでしょう。
数値そのものを追いかけたり一喜一憂するのではなく、正確に必要な数値が採れているか考慮しながらする事が大事ですね。
もう一つ、油温計の測定方法はセンサーを抵抗とした電子式簡易テスターです。
但し、市販されている多くのもののセンサー自体の個体差は大きく、 コスト面から考えるとテスターとしての精度もそれなりです、測定器として数万円レベルの電子式テスターと異なり個体毎の校正が行われて出荷されているものは非常に少ない為、この事からも別セットや車両間の数値自体を比較する事はあまり意味がありません。
それでもどうしてもオイル温度の絶対値を正確に知りたければ、例えば写真の様にオイルの中にセンサーを完全に沈めた状態に設置してやることになります。
写真の様にエンジン内部のオイルパンから離してセンサーは浮かんでいる様に固定する必要があり、設置方法としてはあまり現実的ではありません。
更に、精度の高い校正済み電子式テスターで測定してやる必要があります。
ただ、 オイルの開発やエンジンとその冷却系を開発するメーカーであればともかく 、ユーザーレベルでその様な測定によるデータ取得が必要かと言えばあまり意味は無いかと思えます。
ちなみに、こういった温度センサーもオイルの中に沈めるか実際のマウント条件に合わせてねじ部のみをオイルに浸けるかで表示温度は変わります。