EFI(インジェクション)と言えば、フールプルーフでどんな季節でもスターターボタンさえ押せば簡単始動と言ったイメージがあります。
それは各種のセンサーを用いてエンジンの温度や外気温状態を確認しながらそれに対応する様に燃料や点火時期等をコントロールしているからですが、どんな状況でどの様に制御するかは人間がECUに教えてやる必要があります。
これは、 クランキングスタート時のエンジン温度や吸気温度等各種の情報をモニターしながら、セットアップしているところです。
セットアップ内容としては、クランキング前の噴射量と点火時期、クランキング中の燃料増量や始動後の増量と、それを何秒続けてやるか、更に各々の数値をエンジン温度ごとに設定してやります。
これらの内容を、温度や回転数、空燃比をチェックしながら行っています。
更に4サイクルエンジンの各行程のどこで燃料を噴射してやるかも大事なセッティングとなります。
これは、インテークのマニホールド圧変化で、エンジンの行程を確認しながら正しい位置で噴射が行えているか、確認しているところです。
電子化され各種の機器を使ってはいるものの、基本はキャブレターでのセッティングで行っていることをより詰めているだけで、電子の補助でデジタル化したからと言って無味乾燥になるわけではなく、人間の手でより細やかに行っているに過ぎません。
ただ、従来のキャブレターや点火系では出来なかった事が出来るようになっています。
例えば、より確実な始動時の増量。
スタート時の初爆を発生させるには、各種の温度条件ではかなり大量のガソリンが必要ですが、それを温度ごとに設定出来、又暖機終了後には速やかに適正量に絞る事で無駄な燃料の消費やカーボンの蓄積も抑えます。
又、始動後の点火時期を暖機中は少し進めることで、アイドルアップや回転の安定を行い、暖機後には適性位置まで遅らせる事で、走行後の必要以上の回転上昇を抑えたりする事も出来ます。