これは、 弊社よりデリバリーしていますPistal racing社製ピストンZ1用66mmのピストンリングセット。
4サイクルエンジンのピストンに使用されるタイプとしては代表的なピストンリングの構成です。
レース用に使われる一部のものを除き、その殆どは写真の様な構成で、トップリング、セカンドリング、オイルリングが上下の2本とその間のエキスパンダーリングとなります。
オイルリングについては、上下リングが非常に薄いものと、エキスパンダーリングは縦方向か横方向の違いはあっても波型になっていますので、まず間違える事はありません。
さて、たまに判り難いのがトップリングとセカンドリングです。
トップとセカンドで厚さが違うものに関しては、ピストン側の溝の幅と見比べてやれば簡単ですが、昨今のピストンリングは薄型化が進み、空冷エンジンのものでもどちらも1.0mmのものが多くなっています。
昔であれば、黒っぽいものがセカンドリング、シルバーのものがトップリングといった感じでの区別をされていた頃があったのですが、最近のリングは素材や製法、表面処理によってはその考え方では逆になる場合も多いです。
ちなみに写真に写っているトップとセカンドは、共に厚さ1.0mmで、左の黒っぽいものがトップ、白っぽいものがセカンドリングです。
その場合の識別方法としては、リングの断面か幅となります。
トップリングとセカンドリングは要求される機能が異なりますので、その断面と幅は異なります。
昨今の様に薄くなったピストンリングで断面形状を見るのは慣れていないと割と難しいのですが、幅であれば簡単なのでより判断がし易いです。
例えばここでも見てわかる通り、左のトップリングの方が明らかに幅が狭いです。
こちらの66mmピストンリングについては、幅の狭い黒い方がトップ。
白っぽい色の幅の広い方がセカンドです。
従来の色味での識別方法や先入観だと、間違えて上下を逆に組み込んでしまう可能性もありますので、ご注意ください。
又、リングには刻印があるものが普通ですが、その場合は必ず刻印側をピストンの上、燃焼室側にするのが基本です。(写真ではR文字が見えます)