なかなか一般販売をスタートしない為、一部ではお蔵入りしたのでは無いかとも言われているという、カムシャフト。
現在も継続してテスト中です。
カムの機能としてのプロフィールや寸法精度の部分については初期の試作でかなり早い時期にクリアしていますが、 何がそんなに時間がかかるかと言えば、信頼性と耐久性の確証を得る為です。
このカムシャフトシリーズは、一時の最高性能を重視するレース用部品としてではなく、少なからず摩耗してしまった純正部品のリプレイスも目的としています。
一般市販するからには、長期の耐久性も当時の純正品を確実に超える事を確認出来なければ販売出来ないというポリシーの元に進めています。
又、製造時の公差ばらつきについても、テストロットで製作ラインで作った量産試作品に厳格な基準をもって抜き取り検査を行っています。
本体そのものは鍛造素材を製作しての切削研磨後に、熱処理と耐摩耗性を高める表面処理。
これは、強度と軽さを両立させる為、現代のスーパースポーツ用の軽量な純正カムシャフトと同じ製法です。
表面処理についても市販品としてのベストを探る為、最も使用条件の厳しいハイスペックレベルのカムにいくつもの種類を試してはエンジンに実機装着、シビアケースで走行毎に取り外しては確認と測定を既に数千km繰り返しています。
当然その間には、シャーシダイナモも使用して、ノーマルエンジンの許容回転数を大幅に超える数百回の全開測定も含みます。
これはどちらもcode SPORTSと呼ばれるシリーズのエキゾーストですが、各々熱処理方法も表面処理も異なります。
こう迄しつこいと思われる程テストを行うのは、たとえ純正のカムシャフトを製造製作するメーカーであってもあらゆる実車の各種エンジンへのノウハウがあるわけでは無く、テストは実車に組み込む各車両メーカーやパーツとして販売する我々の様な会社自身が行うものである事。
又、これをベースにして将来はよりリフトや作用角の大きなカムシャフトを作っても耐久性が維持できる事を見越してと言う理由もあります。
本来の想定使用条件を上回る状態でテストするのは何よりもメインとなるストリート仕様での耐久性を大事にしている為だと受け止めて、いずれ出るだろうとご記憶の隅にでも留めておいて下さい。