キャブレター車をEFI(電子式フューエルインジェクション)化しようとした場合、追加するいくつかの電子デバイスを動作させる為の電力を制御する為の回路や配線を作る必要があります。
例えばですが、フューエルポンプやインジェクターは、オートバイとしてはそこそこ大きな電流が流れる事と、正確な燃料噴射を行う為には安定した電圧を保つ必要があります。
必要な電力を直接元々のメインハーネスから取った場合、配線の負担が増えたり、各部のスイッチに負担がかかったり電圧が不安定になったりする為、専用のリレー回路を追加してバッテリーからの電源をリレーでコントロールして供給してやります。
3つある黒いリレーは、燃料ポンプ,インジェクタ―,そしてイグニッションコイル用です。
イグニッションコイルはキャブレター車でも使用していますが、コイル専用に電源を供給してやる事で結果としてスパーク電圧も高く安定する為です。
弊社ではイグニッションスタビライザーと言うコイル専用のリレーハーネスをキャブレター車両整備の際には使用しますが、同じ回路機能を一体化して含んでやっています。
さて、このタイプの回路を製作する際には、電源やアースのコードをそれぞれ分けたり束ねたりして1本に纏める事があります。
その際に使用するのが、スプライスと呼ばれる金色のカシメ端子です。
写真の様にカシメたら、少し厚手の収縮チューブで保護します。
弊社で使用するものは、収縮させる際の熱で内側の接着樹脂が溶け出して銅線部の酸化を保護します。
又、この手の作業を行う際のセオリーですが、アース(黒い線)と電源(赤や白)の線の様にスプライスを使って配線加工をした部分をずらしてやる事。
万が一に被膜が破れたり抜けたりした場合に、隣り合ったコードでショート等起こすのを防止する為です。