スロットルボディの各気筒間フローを揃える同調作業です。
キャブレターでも同様の作業は行っています。
ちなみにインジェクションの場合、吸入されている空気の量に関係無く燃料を噴射する事が出来るので、かなり気筒間の同調にばらつきがあっても何とかアイドリングはするのですが、例えば全気筒のアイドリング時に同量の燃料を噴射するシステムの場合、全閉に近い状態に吸気される空気量は差が大きい為、各気筒の空燃比には大きな差が出ます。
オートバイの場合、4輪と比べてスロットルボディが各気筒独立しているのが通常ですが、市販現行車でもスロットルの同調バランスがずれて来るとイメージの割にラフなアイドリングを打っている車両も多いです。
この為、気筒間の吸入同調はキャブレターと同様に重要となります。
ちなみに自分がスロットルボディのアイドリング中同調作業を行う場合、写真の様に1つのアナログ負圧メーターにバルブの切り替えで圧力の確認をする事が多いです。
圧力が同じでも空燃比の違いによる燃焼状態が異なると脈動による針の振れ方は明らかに違いますが、アナログメーターだとこれが視覚的に見易い為でもあります。
又、一つのメーターで切り替えれば個体差による針の動作速度の違いは出ません。
コンピューターを使い燃料や点火の制御はデジタルでも、スロットルボディは構造的にはアナログですので、むしろこういった方法の方が早い場合もあるという事です。
更にこれは通常の市販車では調整出来ない機能なのですが、インジェクション用のフルコンECUでは各気筒のインジェクターの噴射量を個別に微調整する事が出来るモデルがあります。
この機能を使うと、アイドリング時の各気筒間空燃比の微調整を行う事が出来ます。
調整方法としてはデジタルなのですが、やっている事はキャブレーターで言えばアイドリング時のパイロットスクリュー微調整と同じです。
以下はLink ECUのセッティングソフトでの例です。
スロットル全閉時のアイドリング回転数あたりの燃料を、標準噴射量から3パーセント増やしてみた例です。
マイナス数値にして減らすことも可能です。