新品のZ1000Jシリーズ用ステーターコイルが届きました。
JシリーズはZ1系やMk2系に比較して2000年代迄生産されていたこともあり、まだメーカー純正部品の在庫が残っています。
年式的にはクラシックな類になるのですが、意外にも後のゼファー400や750,ZRX400系のパーツとさほど変わらない価格なのが助かります。
弊社ではJ系にも対応するジェネレーターコンバートキットは用意がありますが、エンジンチューニングでワンウェイクラッチを大容量化したり、バンクカットカバー装着の為に薄型軽量にすると言った必要が無い場合で、フライホイール側のマグネット剥離の様な破損が無ければ、ステーター交換のみでも充電機能は復活させる事は出来ます。
ちなみに、海外製の社外品の中には巻き線の絶縁耐久性の品質が純正品に対して極端に劣るもので巻かれた製品を見た経験がありますので、注意が必要です。
焼けてしまった旧品との比較。
誤解無き様に申し上げたいのですが、ステーターコイルがここまで焼ける時は、消耗の限界を超えてショートしたものを使い続けてしまった場合であって、寿命と同時に丸焼けになるわけではありません。
ただ、オートバイの場合は乗用車の様に充電系のインジケーター等が装備されていないのが通常の為、ちょっと最近充電が弱いなと感じつつも完全に焼けてしまう迄気付かずに走行してしまうケースが多いです。
さて、一応新品でもチェックしてから組み込みます。
まず3本の間の各々のコードが断線していない事を確認するのはもちろんですが、その後その内の1本をテスターに接続します。
まだカバーに装着していませんので、アースを測るにはテスターの相手側はステーターコイルのコア鉄芯の非コーティング部に当てます。
この状態で導通が無く、絶縁されている事が最も大事となります。
このテスターでは0.LMΩと表示されたまま数値遷移が無い状態が絶縁という事です。
問題無かったので、カバーに組み込みます。
グロメット部を清掃脱脂してから、耐油耐ガス性の高い高粘度の液体ガスケットを両方に塗布します。
この部分は内側に若干はみ出しても、硬化後にその部分は除去できますので。
グロメット固定の為のプレートで押さえて1日置きます。
これが結構大事なのですが、新品のグロメットとシールで適切に作業が行われていれば、かなりの年数はオイルリークしないものです。
硬化後にも再度導通チェックと配線の焼け対策加工を行います。