シリンダーヘッドとカムシャフトを組み込んで、圧縮圧力測定です。
Z1000J系はZ1系と違って年式毎にカムシャフトのスペックが変化しており、バルブタイミングもモデルによっては違います。
弊社のZ1000Jでは、最後期のZ1000J系のカムと指定バルブタイミングで組んでいましたが、今回はピストンによる違いを確認する為にカムを含むヘッド廻りはそのまま組んでいます。
コンプレッション測定時に装着しているのは専用のカットカバーです。
Z1系はシリンダーヘッドのインテークとエキゾーストカムの間にはフレームに組み込まれたアイドラーギアがあり、それはシリンダーヘッド側にボルト止めされていますので、コンプレッション測定時にヘッドカバーを装着する必要はありません。
それに対してJ系エンジンでは、アイドラーと同じ機能を持つカム間のスライダーがヘッドカバー側に装着されていますので、これを付けなければバルブタイミングが正常になりません。
又、今回は使用していませんが、アジャスタブルスプロケット等を使用してバルブタイミングを調整する場合に困ります。
それでこの様にカムスプロケットにアクセス出来るカットカバーが必要になるわけです。
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カバー上面に装着されているゴム製スライダーが、外方向に広がろうとするカムチェーンを抑えている事がわかります。
余談ですが、Z1000J系でマニュアルテンショナーを使う際には張り過ぎに注意っしないとこのカバー側のスライダー部に負担が大きくかかります為、ヘッドカバー側にクラックが入る事があります。
J系に限りませんが、レースやハイチューン車でマニュアル式のテンショナーを使用する場合は、暖機が終わってシリンダーブロックやヘッドが伸びる事によりカムチェーンは冷間時より張られる事を前提に調整する必要があります。