これは、以前に以下の記事で紹介したインジェクション用の製作オリフィスです。
実際に使用するとどんな変化が出るか、使用してみます。
例えば、インジェクションの燃料や点火のマップを作る際、横軸が回転数に対して縦軸を負荷数値としてスロットル開度か、インテークマニホールドの圧力とするかの2択になります。
これをインテークマニホールド圧にした場合は各気筒からの負圧をオリフィスを通した上に集合させて平均化します。
ただ、特にコンプレッションの高いエンジンの場合、それでもアイドリング付近では吸気脈動が平均化し切れずにセンサーの出力が触れてしまい易いので、これを抑えるのにニップルの穴を少し小さいものに変更します。
例えば、スロットル同調を採る際に使うバキュームゲージの針が脈動で振れますが、これを抑えるのにゲージ前のチョークで負圧を絞りますが、それと同じです。
これは、乗用車に市販されているニップルを使用した場合。
ピストン変更で圧縮が上がったせいもあり、脈動による振れが大きいです。
振れ幅は、縦軸方向に4セル程あり、ここまで振れるとアイドリング〜極低速域の燃調が正確に取り辛くなります。
ホースの構成は同じまま、オリフィスのみを変更した集合ジョイントに交換します。
穴径は、その大きさの差が肉眼では判別出来ない程ですが、僅かに小さくなります。
交換後のアイドリング。
脈動振れがせいぜい2セル程度に収まったのがわかります。
更に穴径を絞って、完全に振れを抑える事も出来るのですが。
そこまでやるとスロットル開度に対するインマニ圧読み取り値の遅延が大きくなりますので、このレベルに留めています。
オシロスコープやログデータで確認して、現状のスロットル開に対するインマニ圧値の立ち上がり遅延は5/1000sec程度で、実用上の問題にはまずなりません。
赤い線がインマニ圧、青い線がスロットル開度ですが、ほぼ同時に反応してカーブが上がるのがわかります。
更に、スロットル急開時には、開度変化率に対して即時反応出来る、加速燃料増量機能を使っていますので。
燃料の供給遅れが発生する事は無いでしょう。