弊社の販売製品はいつもの事ですが、設計や試作から年単位のテストを経て、先日ようやく一般向けデリバリーを開始したラージインシュレーター
社外品キャブレター使用を前提として、純正パーツよりゴムの材質をアップデートし、各部の寸法もエンジンチューニングに対応出来る様にしていますが、やはり見た目と機能面で最も分かり易い部分は、スロットル開度同調や負圧コック使用の為のバキュームニップルです。
さて、このバキュームニップルの取り付け方向ですが、純正のZ1系インシュレーターの場合は下向きが標準となっているのに対し、弊社では上向きを標準指定としています。
この為、例えばニップルを上向きに置くと、エンジンの右用と左用が逆になります。
左:PAMSラージ L用 右:Z1系純正 R用
何故純正と違い上向きかと言えばいくつか理由があり、例えば純正の様に下向きにニップルを向けると、ストリート走行中にパイロット系からのガソリンがそのパイプ内に溜まる事が多く、それが空燃比にも少なからず影響が出る場合がある事。
又、そこに溜まったガソリンは下側のゴムキャップを膨潤させたり、乾燥時には硬化させるといった劣化の原因になるのですが、それで緩みが生じた為にポート内に向けてバックファイアが発生した場合に瞬間的な内圧の上昇でゴムキャップが抜け飛んでしまう症状を少なからず見た事がある為です。
更に、スロットル同調を採る際に繋げるバキュームホースの中に上記の様に流れるガソリンが流入する事が多い為です。
Z系が発売されて10年程度で使われているゲージは4連の機械式でそれでも大きな問題はありませんでしたが、昨今使用される機会の多いデジタルバキュームゲージの場合、このガソリンが悪影響して正確に測定できなかったりゲージ側のセンサーを痛める可能性もあります。
この為、弊社のラージインシュレーターの場合は、上方取り出しが基本としています。
ちなみに、ニップルの角度はZ1系のものより作業し易い様に少し寝かせてあります。
さて、専用で用意してありますバキュームキャップですが、Z系の場合ルックスも考えねばと思うとあまり太いものはどうかなともなりました為、若干細身のものを純正より長目にしっかり被せる様にしました。
インシュレーターに当たる迄、しっかり上から押し込んでください。
これに更に抜け止め対策として、クランプを装着します。
使用用法ですが、クランプバンドの脱着には先端の細いラジオペンチがよろしいと思います。
ただ、キャップそのものは柔らかい材質ですので、先端の固い工具で摘まんだり引っ張ると裂ける場合があります。
かならず指先で脱着して下さい。
滑りの良い材質ですので、抜き取る際には指先で先端を摘まんで引っ張れば伸びながら抜け取れます。
細身の為、上向きでもあまり目立たずキャブ側への干渉等邪魔になりません。