弊社オイルポンプについての記事が続きまして恐縮ですが、ご購入にあたってのご質問がありましたので説明を兼ねます。
以下の内容につきましては、添付の説明書にも記載させていただいています。
まず、弊社JPオイルポンプにはクランクシャフトからの駆動ギア(ドライブギア)は付属していません。
ドライブギア自体はワンウェイクラッチ部やトランスミッション等のギアと異なり、ギア歯以外使用部分が無い為に相当な長い年数使われても殆ど摩耗せず、ポンプの交換時に再利用してもまず問題が出ない事がわかっておりますので、交換時には組み替えて使っていただく様にしています。
そこで問題になるのが、Z1系初期~80年代半ばの回り止めピンが3mmのものと、それ以降2005年迄の4mmのものへの対応となります。
それについては、写真の様に中心部が4mmでギアへの接触部が3mmとなっている専用ピンを付属させていますので、これを使用する事で3mm用スリットのギアを使用できるようになっています。
実はこのピンは今回弊社のオイルポンプ用に製作したわけでは無く、以前に純正のZ1000Pポンプをパーツとして取り扱いしていた際にポンプより先にドライブギアが販売終了になってしまい、それに対応する為に同じタイプのものを用意していました。
その際にも硬度や耐摩耗性の検討を行い。単純な切削ではなく熱処理後に研磨により仕上げてあります。
又、3mmピンと4mmピンによる違いについても過去に記事にしています。
Z系に使用されるギア式構造のポンプに関しては、オイル圧送時にかかる駆動抵抗そのものが低い為、3mmピンでも回り止めとして機能しなくなる程の摩耗はしませんのでご安心下さい。
もちろんどちらが減らないかと言えば4mmのものの方が減りませんので、お手元に4mm用スリットのギアがあれば、必ず純正の4mmピンをご使用いただいて組んでください。
4mm用ギアに3mmのピンや弊社の専用ピンは故障の原因になりますので絶対に使わないで下さい。
ちなみにZ系用のオイルポンプドライブギアは、両面を切削して軽量化されているものと片面のみ切削されているものと何種類かあります。
片面のみの場合は必ず切削軽量化されている側をポンプ本体に向ける様に組み込んで下さい。
又、ギアの軸方向固定用のEクリップですが、このタイプのクリップやリングは通常プレスによる打ち抜きで製造されています。
この為、断面は丸い方と平面になっている方がありますが、断面の丸い側をギア方向に向けて、押し込んで下さい。
下の写真の様に、丸い方向がギア側、平面になっている方向がこちらの手前側になります。