JPオイルポンプ。
現在オーダーをいただいております第一期ロット分を、月末の発送開始に向けて組み立てと検査、梱包を進めているところです。
圧送能力の向上は、僅かに増やした内部容積の数値分のみではなく、ボディとギアの外周とスラスト方向のクリアランスを最も精度の高かったZ1系初期型を上回るレベルに仕上げた設計と加工によるものですので、全数の内部寸法とギアの回り方をチェックしながら組み立てています。
この精度へのこだわりの一部分がこれです。
ポンプボディのカバーの位置決めをする為のドエルピン(パイプ)です。
このパイプの精度や剛性が不足すると、カバーとボディで支えられるギアが正しく平行になりません。
例えばオイルポンプが暖まった際にカバーの組付けがずれればポンプギアの軸線が歪みますので、フリクションの発生やクリアランスが変わりオイルの圧送ロスにも繋がります。
ちなみに写真手前のものは、Z1000P後期の純正ポンプのドエルピン。
この時代の物はこの様に巻きパイプをカットして研磨加工にて仕上げたものです。パイプの外壁が繋がっていない為、正直なところ剛性や精度は劣ります。
奥側のものは今回のポンプ製作にあたり、弊社で指定した削り出し品に円筒研磨で仕上げたもの。 サイズ公差は1/1,000台で指定しました。
並べると、仕上げの差がわかります。
ちなみに、純正のポンプも初期のものは削り出しのピンが使われていました。
弊社が同様の方法にしたのは、制度と剛性を重視した為でもあります。
ボディに挿し込んだ際には、ピンが圧入にならないレベルの限界近くの加工寸法穴としてありますので、吸い込まれる様に入りガタは全くありません。
カバーを当てても、滑る様に入ります。