これは、弊社のZ1000Jを馴らしと本セッティング後にパワー測定を行い、新品に交換してから1500㎞程走行したイグニッションプラグ。
使用した感じはもちろんありますが、碍子部分は白いままで沿面にも焼けはありますがカーボンの堆積等はありません。
A/Fセッティングとしては特に省燃費向けにセッティングしてあるわけでは無く、低負荷巡航中でもトルク感が残る様に13台後半。
大きく負荷のかかるところでは13.0~13.5
瞬間的に加速するのにスロットルオープン時には加速増量を働かせる為12台に入る様になっています。
ガスケット厚を変更する為に開けた際のピストンヘッド状態もこの様な感じです。
パーツクリーナ―を染み込ませたウエスで拭く程度で全部取れそうです。
ちなみに、キャブレター車の場合でこのプラグの焼け具合やピストンヘッドの状態になる様だと正直セッティングがかなり薄く、走りはするもののかなりパワー感を損ねます。
特にストリートで多用するスロー系は顕著で、始動時にチョークを使用しても手こずったり、相当にエンジンが暖まる迄アイドリングも吹け方もなかなか安定せずに使い辛い状態になります。
キャブレターの場合、(特に強制開閉タイプのZ系純正やレーシングキャブ)の車両では、実用面を考えるとどうしても最も使用頻度の高い領域を濃くせざるを得ない部分があります。
もちろん、システムとしての構造の簡易さやそのコストは大きなメリットではありますので、それがキャブレターが長く使われてきた理由ではありますが。
インジェクション化のメリットとしては省燃費はもちろんですが、ガソリンの無駄打ちが少ない分、カーボンの堆積が圧倒的に少ない事でリング周りの動きも良い状態が長く保てます。
リングの動きが悪くなっての圧縮効率低下は、パワーダウンの原因にもなります。
又、余剰なガソリンがリング回りのエンジンオイルを希釈もしなくなるので本来の性能を発揮出来る為、ピストン本体やリング回りの消耗も抑えられます。
例えば市販車のインジェクション化の早かった4輪乗用車では、エンジン自体のオーバーホール頻度が極端に伸び、消耗する補器類のメンテナンスのみを行えば30万km走っても本体のオーバーホールは不要なものは普通です。
オートバイにしても30年前のキャブレター車は、リッターバイクでも5万kも走ると、それなりにパワーダウンや消耗も感じられる過走行車のイメージがありましたが、インジェクション技術が安定した10年くらい前からの車両は10万㎞近く走っても特に問題無いものが増えてきたのも、空燃比制御が緻密になった恩恵かと思えますね。