最初に製作ラインナップしてから既に10数年、途中で僅かな変更は加えましたが基本構造は変えないままずっと販売していますスイングアームピボットのベアリングキットです。
正直派手さのあるパーツでは無いのですが品質と信頼性の高さが好評の様で、一般ユーザー様はもちろん車両整備を行う業者さんにも多く使っていただき、既に2,000セット近くが出荷されています。
純正スイングアームの装着されているZにしか使えませんが、国内を走行している車両には割と装着率の高いパーツでは無いかと思われます。
Z1系の場合、純正スイングアームの軸受け部分が金属ブッシュでフリクションが大きく、定期的にグリスアップを行っても齧り付いてしまう場合が多い事から、後期の車両同様にニードルベアリング化出来ます。
又、リアブレーキがディスク化されたZ1000やZ750D1以降の車両でも、ベアリング軸となるスリーブが既に販売終了となっている事もあり、整備時の必要パーツとしても使われています。
特に、ニードルベアリングの当たるカラーは特殊鋼を使用して熱処理してあります為、純正品を遥かに上回る表面硬度と耐摩耗性を持ちます。
Z1系の場合はスイングアームの両端部に耐摩耗性と強度、摩擦抵抗の少なさを両立させる為に砲金製の打ち込みブッシュを使用しています。
金色なので一見真鍮の様にも見えますが強度面で不利な為、遥かにコスト高ではありますが砲金を使っています。
ちなみにこちらのスリーブは絶版になったZ1000系の純正部品です。
左右が一体になっています為一見剛性面では有利に見えるのですが、この形状で製作するにはベアリング鋼では困難で、クロモリ系素材に熱処理で製作されています。
この為、硬度的にはベアリングに負ける傾向があります。
又、一体型の問題はもう一つあります。
実は純正のスイングアームは軸パイプの片側にのみ溶接されている構造の為少し沿っています。(ベアリングの収まる両端が後方に向かっています)
スイングアームにスタビライザー補強等を行うと、コンマ台ながらも反りは大きくなります。
この為、特に高荷重に耐える様に片側2個ずつ都合4個のベアリングに通して一体型のスリーブをピボットに通すと、かなりのフリクションとなってしまいます。
それで、弊社のキットではあえて一体化はせずに分割式にしてスイングアームの動きのスムーズさを狙っています。
又、剛性面についてはセンター部のカラーが締め付けや走行で変形はせぬ様、肉厚のクロモリ材を削り出して製作しています。ちなみに現在販売しているものは、ピボットシャフトとの間での錆による貼り付き対策に黒染め加工を施しています。
ちなみに、J系以降のスイングアームでもピボット内部のスリーブは同様に分割され、左右のベアリングは大径化した分片側1個ずつとし、動きのスムーズさの方が優先される構造となっています。
http://pamswebshop.my-store.jp/shopdetail/000000000150/ct16/page1/order/