本日は折れたエキゾーストスタッドボルトの抜き取り修理。 初期のZ系シリンダーヘッドのスタッドボルトは、少々細目の6mmです。純正の一本一本が独立した4本マフラーで、フランジに割カラータイプの場合はそれ程では無いのですが、集合部やテール迄が一体構造のショート管の場合は振動の逃げ方やリア側をフレームにマウントする車体からの応力がスタッド部分にストレスがかかり易い為、特に両端の1番4番のものが折れ易いです。ちなみに弊社が現在販売しているショート管は一体構造を採用していますが、あえて当時のタイプの構造では無く、純正マフラー同様に脱着出来るフランジに割カラー方式を採用している為、従来タイプに比較すると殆どスタッド折損は起きなくなっています。 http://pamswebshop.my-store.jp/shopbrand/ct10/ さて、今回折損したスタッドボルトは運良くエキストラクターを使用しして抜き取る事が出来ました。以前の整備時にスタッドボルトを新品に交換された際、埋め込み前のねじ部に焼き付き防止の耐熱グリスを塗布してありました為に、腐食や貼り付きが発生しなかったのが幸いでした。 ちなみに、以前の整備歴がはっきりしないか、当時のオリジナルのままのスタッドボルトの場合は、シリンダーヘッドに張り付いてしまっているのが普通な為、6mmサイズの細い折れ込みボルトをエキストラクターで無理に抜こうとすると更に内部で折れてしまう可能性が非常に高い為、原則使用はお勧めしません。エキストラクターはドリルの刃並に硬度がある為、ハンドドリルでは削って除去する事が出来ずにシリンダーヘッドを取り外しての機械加工が必要になってしまう為です。そういった場合は、ボルト中心をねじ山ぎりぎり迄ドリルで掘り込んで薄くしてから取り除く事もありますが、ハンドドリルではボルト軸を正確に抜く事が非常に難しい事と、掘っている最中にボルトが崩れて刃に絡むとドリルが折れてしまう場合もあります。又、容易に抜けなくなったスタッドボルトの周囲の雌ネジは既に腐蝕でアルミの母材側が痛んでしまっている場合も多い為、修理後の強度も考えるとボルトや周囲の雌ネジを同時に削り取ってからヘリサート修理してしまう場合が多いです。 Tweet