こちらは弊社のバックポジションキット用、ブレーキペダル。
現在バックオーダー中にて大変お待たせしております。
既に鋳造と組み立ては終わり、表面研磨と仕上げのクロームメッキ工程に入っています。
ちなみにこちらのものは、現在のロットを製作する際に形状検討を行った際の表面未処理品です。
製法としては鋳造による鉄製なのですが、構成している各部品に通常鋳造時に生じる砂型の合わせ面がありません。
実は弊社のバックポジションキットのペダルやレバー、フットレストを構成するパーツは、ロストワックス製法と呼ばれる精密鋳造法にて作られています。
これは、少量生産でかつ精度の高い鋳造品の製作方法で、砂型を作る際の元型を使い捨てのワックスで製作し、その型を熱してワックスが溶け流れた空間に溶けた鉄を流し込む事で鋳造します。
その後、砂型を壊してパーツを取り出すのですが、木型を抜き取る為に型の抜き方向を考える必要が無無い為、形状やディテールが複雑であったり微妙なカーブを描くようなものも製作する事が出来ます。
問題としては、通常は再利用可能な木型を使って分割式の砂型を作るところを、その都度溶けてしまう型を鋳造したい数だけ別途に製作せねばならず、更に砂型自体を加熱処理する必要のある工程が増える事と当然それらによる大幅なコストアップです。
それでも、この製品のステップやチェンジペダルには、機能部品としての精度はもちろん形状としての美しさも追い求めています為、この製法を指定しています。