インジェクションの為の汎用ECUを使用するシステムの場合はフルコンと呼びますが、燃料供給系はキャブレターのまま、点火系の制御のみに汎用ECUを使用して車両個体に合わせたオーダーメイドの点火マップを作ったり、各種のセンサーを追加して様々な補正制御を行う場合は、これを区別するのに”キャブコン”と呼称しています。
こちらのハーネスは、その為に製作中のキャブコン用
各々に追加するセンサーの数や走行ログ取得に使用する空燃比計測システムに違いがあります為、配線の本数や仕様が若干違います。
フルコンECUのマウント位置も異なりますので、一部配線の長さも変更しています。
さて、点火系のみにフルコンを使用する場合はインジェクション用の配線が不要で、それ用のセンサー数も若干少ない為、コネクターに繋がっている配線本数もインジェクション用より少なくなります。この為、上のキャブコン用ハーネスのベースはインジェクション用のもので、そこから不要な配線を間引く事で製作しています。白いダミープラグを挿しているところが不要になった部分です。
ちなみにLink ECUに使用されているこのメインのコネクターはECU用としては割とメジャーなもので、他のECUメーカーや実は日本の2輪メーカーでも2000〜2010年あたりの車両だと同じコネクターが使用されていたりします。
又、このコネクターは配線の仕様変更が簡単で、ドライバーか何かで下側から白い部分を押し込んでやると、端子のロックが解除されて配線を抜き挿し出来る様になります。
ロック解除状態だと、上側は飛び出します。
ちなみに、この状態だとコネクタ―はECUに挿す事が出来ない為ロックの戻し忘れもありません。
配線の抜き挿しが終わったら上側から押してロックします。
この様にハーネスの仕様変更に一本一本端子の爪を押す様な手先の器用さが不要です。
例えばですが、今後点火系のみのシステムからインジェクション化する場合には必要部分の配線のみを後から追加する事も容易です。
さて、当方がフルコン用の配線を製作する場合は、配線を纏めるのに根元部分にカバーを被せてから各コードを機能毎に分けながらガラスチューブに通しています。
この方法だと配線がすっきりする事と、機能別に分かれている為に本数が増えても分かり易い事、又、整備や修理、仕様変更も行い易くなります。
更に今回はコネクター側に近い部分のカバー内には、後々にセンサーを追加した場合に必要になるセンサー電源5Vとセンサーアースのみ増設分岐して先端をカバーした上で収納しておきました。
これで後のバージョンアップも容易な筈です。