センサーからの微弱な信号や、メーター等への信号に点火系等のノイズが乗ると、正しいパルスが送れずに機能そのものや表示に問題が出る場合があります。
その場合、コード周囲を金属メッシュで覆ったシールド線を使用して対策しますが、車両によってはエンジン周囲への取り回しで耐熱性を要求される場合がありますので、そういった部分には耐熱シールド線を使用します。
どれ位熱に強いかと言えば、上は通常に使用されるシールド線で下は耐熱タイプです。
少しライターで炙ってみます。
数秒間後には通常タイプは外部被膜に着火して燃え始めました。
更に10秒程炙った後に消火させましたところです。
耐熱線の方はほぼ変化がありません。
コストは若干余計にかかるのですが、最近の車両にECU用のハーネスを組む場合や改修を行う場合は、特に制御信号の基本となるクランクトリガーに繋がる部分は耐ノイズ性はもちろん、長年の使用を考慮した際に耐熱性はあった方が良いのでこのタイプのコードを使う場合があります。
転倒出火でもしなければ通常このコードが火に晒される事はありませんが、長年使用したポイントカバー内からのコード被膜が割れそうな程に硬化してしまっている事はさほど珍しい事では無い為です。
又、シールド線の場合、外側のシールドをセンサー側のアースやフレームに落とす場合がありますが、配線加工の際に上手くシールドのみを出せないと言われる事があります。
以下に我流ではありますが当方のやり方をお見せしますので参考にして下さい。
カッターで内部シールドを切り過ぎない程度に被膜に軽く切れ目を入れます。
被膜を裂いて剥き、カットします。
ニードル状のツールをシールドの先端近くに挿し込んで、前方に向かってすくう様に持ち上げてやるとシールド線は解けますので、それを少しずつ繰り返してやります。
被膜のところまで解けたら縒ってやります。
シールドをセンサーアース側に繋げるのであれば、根元を剥いてからスプライスでカシメてやります。
そのままでは配線を動かした際に傷みやすいので、接着剤入りの収縮チューブでカバーします。
その場合は一緒にしても隣コードには被膜があるので問題は無いでしょう。
こんな感じにしておくと、曲げたりエンジンの振動を受けても弱いところに集中しない為、まず断線は起こらなくなりますし、湿気や水にも強いです。