これは、純正のオイルポンプリリーフバルブです。
左は数年使用したもの。右は新品です。
点検の為分解してみました。
目に見えての破損や消耗はありませんが、何年か使ったものはボールを押しているスプリングが僅かに短くなっています。
スプリングは一般的に短くなってもそのレートは変りませんが、組み込みセットされる長さが変わらないのに、長年の圧縮状態で自由長が短くなると、プリロードと呼ばれる荷重が変わります。
このリリーフバルブに関して言えば開弁圧力が新品時より下がるという事になります。
もちろんこの位の自由長の変化では、サービスマニュアル上の下限値を切る事はありませんが、スプリングには製造時の公差がありますので、もし初期状態から設定範囲内で少し低い場合は使用限界迄の期間が短くなってしまう事もあり得ます。
ちなみに、弊社のJPオイルポンプに使用するリリーフバルブは製作品ですが、ポンプ本体への組み込み前にその全数の圧力点検を行っています。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=23948
その中でも、上限値を上回る様なものの場合は開弁圧力が高くなる迄開かないという事になりますので、スプリング交換して外したものは廃棄します。
逆に規定範囲内でも公差で少し低いものがある場合は調整シムにて理想値に合わせる様にしています。
これが僅かに低い例。
もちろん不良では無いのですが、長年使用した場合は下限値に近付くのが早くなる事がありえます。
シムを使ってプリロード値を調整します。
高からず低過ぎず、ほぼ理想値になりました。