スロットルボディを装着してEFI化する場合のメリットの一つに、キャブレターでは実用困難な口径の導入が可能になるという事があります。
もちろん自然吸気の場合エンジンが吸い込める空気量には限界がある為、無制限に大きなものを使用する事は出来ませんが、一般的にはインジェクターからガソリンの噴射量を負圧や流入空気の速度,量に依存せずに強制的に噴射供給出来るEFIの方が低中開度域の性能やツキをスポイルする事無く大きな口径のものを使える傾向にあります。
ちなみにこのZ1Rに使用しているものは口径43mmですが、レース用に使用されるシャフトレスバタフライが使用されている事もあり、通常のシャフトタイプ換算であれば45~46mmレベルの口径フロー率があります。
キャブレターをここまで大口径すると、極低速から低中速域での燃調は非常に困難になってしまいますが、上記の通りガソリン供給を空気の流れに依存する必要の無いEFIは、全閉開度0から10%以下迄の燃料マップを細かく条件付けしながら任意に設定してやる事で、極低速や低負荷の巡航から一気にワイドオープンしての加速まで対応する事が出来ます。
上の動画はZとしてそれなりに結構なレスポンスしていますが、ECUの加速増量設定も併用しています。バイク用キャブの加速ポンプは開度0%から効かせられる様になってはいませんがEFIの場合は可能で、更にアクセル戻しによる噴射減量機能も併用して回転落ちのコントロールも行えます。
(それでも実は、ストリート使用の為に開け始めのレスポンスを僅かながら抑えています。)
こういった機能を使うと、低負荷運転中は薄めの空燃費で、必要な場合にのみ一気に増量させる事が出来ますので、省燃費で未燃焼ガスによるカーボンも堆積し難くなります。