ベアリングの圧入を済ませた、テンショナーアームのゴムローラーです。
これを適正な熱処理を施して精密に製作したフレームとベアリング軸に組み込んだ後、リベットピンでカシめます。
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さて、このローラーはゴム製品であればこそ、仕様の確定やテストで実は最も時間がかかっています。
見た目は鉄の芯の入ったゴムの円盤ですが、ゴムとしては条件の厳しいエンジン内部の熱やブローバイガスに混じったガソリンにオイルに耐えながら、更にカムチェーンの荷重を受けつつクランクシャフトの変わらないレベルでの速度と回転数に耐える必要があります。
その為、それらの条件を完全に満たしながら純正部品の精度や耐久性を上回る事を目的に作りました。
弊社のラージインシュレーターもそうでしたが、これらのテストには年単位で行って市販する様にしています。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=15964
ガソリンに数か月漬けては乾燥させたり、オーブンで焼けが来るまで加熱したりしています。
例えば、ローラーの強度や真円度の精度が悪ければカムチェーンは波打つ様に動いてしまい、チェーン廻りの耐久性やバルブタイミングにも少なからずの影響が出る為、ローラー芯金をゴムを加硫成型する際に固定する際の金型クリアランスは正直量産性が低下するのを承知の上で詰めています。
その芯金の内穴は、日本製のベアリングを圧入後に軸とのクリアランスも必ず一定になる様に、内径部分は切削では無く研磨で仕上げている事も、回転精度を上げられる理由です。
これらの拘りは、正直コスト面では有利では無いのですが、それ故、このゴムローラーを組み込んだテンショナーアームはノーマルエンジンのスムーズなチェーンガイドはもちろんの事、それを遥かに上回る領域迄回すチューニングエンジンの高回転にも追従しています。