EX傘部のクローズUPです。
見慣れたバルブですが、何だかフェース面が奇妙な形だと思いませんか?
実はこのバルブ、バルブメーカーさんからお借りしてきたサンプルなのですが、ステライトという金属をフェース面に肉盛りした状態の物です。ここから更に適正寸法まで削り仕上げてゆきますが、こんな状態でバルブを見た人は少ないと思います。
一般的には熱的に条件の厳しいEXバルブへ、主に耐摩耗性等を引き上げる為に施される処理で、実際にはフェース面に溝を切りその上からステライトを溶け込ませる様な状態になっています。因みに吸気側バルブは最も高温になる場所でも400°前後と言われていますが、排気側はその2倍となる700°~800°にもなるんです。
バルブと言えば傘形状そして傘径やステム径といった部分ばかりに目が行きがちですが、製造方法更には品質や精度の違いは国内外製問わずピンキリなんです。ある程度の知識は有していたつもりだったのですが、いざメーカーへ出向きバルブに特化して勉強させて頂くと(バルブに限ったお話ではありませんが)恥ずかしながらメカとしてまだまだ知らない事ばかりだと気付かされます。
空冷Zが誕生して40数年、当然バルブの材質やその製法も進化しています。純正よりも高品質且つ高性能な空冷Z用のバルブを作りたいと構想し始めて随分と月日が経ってしまいましたが、夏前にはオリジナルバルブをご紹介出来そうな状況です。
純正同等ではなく以上を目指して。