弊社のZ1000Jの様にフルコンを使用している場合、油圧センサーとしては単なるオンオフスイッチでは無く、オイルラインにかかっている油圧数値を出力電圧で測定出来るタイプの圧力センサーを使用する事が出来ます。
純正のオイルブロックにアングルアダプターを使用して装着しました。
この位置には以前は油温センサーを着けていたのですが、今回油圧センサーをこのタイプにしたので、純正のオイルプレッシャースイッチを取り外し、その場所にアダプターを使用して油温センサーを移設しています。ちなみに、この位置にセンサーを装着すると、走行風による冷却の影響を抑えられる為、割と正確に温度の測定が出来ます。
センサーの特性をソフト上で設定して、エンジン始動。
赤く表示されているところが油圧です。
Z系の様にニードルベアリング式クランクのエンジンは、オイルライン先端の開放部が大きい為に、オイルはそれなりに流れていても油圧は上がりません。ソフトウェアは現代のプレーンメタルクランクエンジン基準で”油圧が低い!”とアラート出しているわけですが、Z系の場合この数値でも異常では無いですし、むしろしっかり流れています。
高速道路走行中のログ。
116km/h,4900rpm時に約100kpa(1bar ,1kgf/㎠強)出ています。
Z系としてはかなり高い方になりますが、ちなみにこのエンジンには弊社製のオイルポンプに換装しています。
ただ、油圧の高い低いは実際にはエンジンオイルの粘度や温度に大きく影響されますので、数値そのものはあくまで参考値になります。
エンジン回転の上下に対する変化も、オイルクーラーの有無によるオイルラインの長さや装着位置によっても変化します。
面白い事に上の写真の位置にセンサーを着けている場合、オイルクーラーが装着されている方がコア迄押し上げているオイルそのものの重さや長くなったオイルラインの抵抗により、アイドリング中の油圧は高く測定されたりします。
その程度の負荷で圧力が上がった様に見える程アイドリング状態での油圧は低いのですが、正常です。
実際に大事なのはポンプに圧送されて流れているオイルの量そのものなのですが、実は通過するオイルの量そのものを正確に測定するのは難しいので、油圧が上がる事で正常に潤滑が行われていると判断する事になります。