昨年ファーストロットを販売させて頂いた時から、お問い合わせと共にリクエストの多かったカムホルダーの試作が始まりました。
鋳造後にCTによる全数スキャニングを行い、厳しい検査をパスした後に機械加工へと進みます。
L6の長いカムシャフトを支えるカムホルダーですから、何よりカムラインを寸分の狂いもなく通すための精密加工を必要とします。
カムラインを通すため、この様に一台分で5個のカムホルダーを治具にセットし同軸加工を行います。通し番号が個別に打たれ、一台分を1セットとして製作が進みます。
DMG MORI 精機製5軸マシニングによる加工。まるで揺り籠に揺られている様な加工時のアクションは見ていて飽きません。では、少しだけ短い動画でその様子をご覧ください。
↑こちらは動きを見易くするためのシュミレーションです。↑
そして上の動画がクーラントを勢いよく噴射しながら実際に切削を行っているものです。
フリクションを抑えスッと気持ちよく回るカムシャフトを想いながら加工を進めます。長い直6エンジンはクランクシャフトもカムシャフトもこのライン精度が命です。
カムホルダーはこれと言って特徴を出しにくいパーツでもありますが、純正品よりも格段に上げた精度、チューニングの際に使用するバルブスプリングによってはカムホルダーと干渉するといったお声に対してもご意見を反映させています。また性能には関係ありませんが、部材と加工精度に拘り、結果的に生まれたその美しさもご覧頂きたいと思います。
また5/5に開催される「FAIRLADY Z meeting」にて小さなブースを出展し試作品をお披露目する予定ですので、ご来場の際には是非手に取って見てください。http://s30zcar.jp/meeting/2023/fuji/index.html