グラスファイバーやスチールプレートを芯材にして表面にカーボングラファイト層を持つ、弊社ではCGベースガスケットの名称で販売しているタイプです。
STDエンジンからストリート用のライトチューニング車にも幅広く使用出来、最もベーシックなタイプで、そのメリットとしてはカーボングラファイトの柔軟性からとにかくオイルの滲みや漏れに対して強い事です。
この為、1990年代以降のカワサキ空冷エンジンの純正ベースガスケットとしてはこの素材はよく使われており、J系エンジンの後期やゼファー750系ではマイナー前にも使用されていました。
例えば、長年分解と組み立てを繰り返したZ系やJ系エンジンでは、以前の作業によるガスケット清掃が手荒く行われているケースや、アルミの面が腐蝕している様な場合も多く、開けてみたら以下の写真の様になっていたと言う様なケースは珍しくありません。
この様な状態のベース面にもカーボングラファイトガスケットはシール性が高く、Z1系純正のノンアスベストシート材(サーモンピンクカラーのタイプ)では漏れてしまう様なケースでも対応出来ます。
上記の状態のガスケット面であったものでも、2万km以上を走行してオイル滲みは起きていません。
この為、弊社でも最もベーシックな仕様として用意しておりますが、注意点としてはメリットでもある柔軟性ゆえに組み込みしてから馴染む迄に若干の原寸が起きる事です。
例えば新品時の標準厚さが0.5mmの場合約10%程度は圧縮されますので、エンジンに火入れして数百km程度当たり付け走行後に冷却し、常温での増し締めを行ってくださいませ。
ちなみに使用可能な締め付けトルク上限は4.3㎏-m (42.17N・m)となります。
又、厚さを増やす目的で複数枚を重ねての使用は出来ません。
シリンダーブロックのスリーブを交換する際に綺麗にベース面を面研してあったり、レース用車でメンテナンス組み立て後に増し締めを行わず使いたい、もしくは厚さを増減させてブロック高さを調整する必要のある場合には、より専用のシリーズ、NBRベースガスケットやSILベースガスケットがラインナップされていますのでそちらをご使用ください。