PAMS HPアイドラーが今月1日より正式に発表と受注を開始しています。
http://pamswebshop.my-store.jp/shopbrand/ct41/
今迄にも何度かイメージとしてのお見せはしてきたのですが、PAMS製品の常でこれも実は企画から設計試作とテスト、仕様の変更や一部の変更を繰り返している為、年単位の時間がかかっています。
その中でも軽量化にはまず最初に拘り、最も重要視した部分です。
デザインを煮詰めながら肉抜きを続けましたが、クロモリ素材を使用して純正品を上回る耐摩耗性と精度を得る為の熱硬化処理を行った場合に生じる変形も考慮する必要があり、技術的難易度は上がります。
素材に強度があるからと無造作に肉抜きをしていくと、熱処理の時点で円周度や圧入部の真円度も歪んで中心位置が狂い、高回転で回るギアとしての品質が大きく低下する為です。
この為、加工方法や手順を含めての試作を繰り返して最終の仕様を確定させています。
試作の度にコンマグラム単位でデザイン変更による軽量化を進め、完成したアイドラーの重量はベアリング込みの重量で純正比51.3%。 ほぼ半分です。
純正品75g HPアイドラー38.5g
弊社に来訪いただきましたユーザーさんやチューナーさんにお見せした際には、その軽さにまず驚いていただいています。
ちなみにセンターのベアリングは純正品と同じ日本製のものを使用しているのですが、これを圧入しない場合の重量比では40%台になります。
軽い部分はベアリングより外周部で歯部分の内側ですので、この差は回転すれば更に大きな違いとなって現れます。
例えばクランクが8,000rpmの際にはアイドラーは約7,600rpm(Z1系)~7,530rpm(mk2系)で回ります。
アイドラーの重量はクランクシャフトのそれに比較すると小さいのですが、これだけの高回転で回るギアが軽量化によって加速減速がスムーズになると、カムチェーンに対する負荷や荷重に両者間に生じるフリクションも圧倒的に小さくなります。
走行中は常にアクセルをオンオフの連続となるのですが、カムチェーンへの負担が減る事で摩耗や伸びも抑えられる事でしょう。
さて、純正新品との加工仕上がり比較、HPアイドラーは加工後に熱処理を施した試作品です。
量産仕様はこれに更にマイクロポリッシュを行っています。