アイドリング中に、安定しないゴロゴロゴトゴト音。
Zのクランクシャフトが金属ベアリングの組み立て式だと知っている人であれば、クランクが極端に摩耗したかベアリングが破損したかと診断してしまう場合も多いでしょうし、実際その場合もあります。
但し、こういう事もあるという事で。
本来クランクエンドに装着されている発電用のマグネットローター(フライホイール)にボルト留めされていて一体化して回っている筈のワンウェイクラッチハウジングにガタが生じています。
ハウジングをローターに固定しているボルトが緩んでいました。
これがアイドリング中の微妙なクランクシャフトの回転むらに呼応して小刻みに揺れて異音が発生した様です。
緩んだ為に打たれてネジ山の潰れたボルト。
慌ててエンジンを全分解してしまう前に確認しておいた方がいいですね。
緩みの原因としては、以前に組み立てされた際のトルク不足が挙げられますが、適切に組まれた筈の車両でも、極端な高圧縮エンジン化であったり始動時点火時期が早過ぎたり、消耗したセルモーターやバッテリーを使い続けても同様です。
経験上、スムーズにクランキング出来ない様な状態で使用し続けた車両(相対的にクランキング中の点火時期が設定値より早くなります)では始動時にワンウェイクラッチが跳ね返され易く、常時打撃の様なショックを生じてボルトの緩みを発生させるようです。
充電系もセルモーターも元気で、いつも元気に始動出来ている車両程、この緩みは発生し難い様です。