ネジロックや緩み止めの付いているUナットについて、認識違いをしている方は割と多いのですが、ロック剤の塗布やUナットの使用は、それらを使うとボルトやナットが緩まなくなるわけではありません。本来の目的としては、万が一に締め付けトルクが緩んでもクルクル回って脱落し最悪の事態が発生しないようにするのが主目的です。
例えばカムシャフトのスプロケットボルトやクランクエンドのフライホイールボルト等は緩む事自体がよろしくは無いのですが、走行中に脱落した場合エンジンそのものに重大な破損や事故にも繋がりかねません。
特に中強度の脱着する事を前提のネジロックは、それらの最悪の事態を回避する為に塗布していると考えた方が良いでしょう。
さて、当方がエンジン作業や車両整備を行う際に使う事が多いのは、スティックタイプの半固形タイプloctite248です。
液状のものに比較して塗り易く、ボルトに塗っても垂れ難い為に重宝しています。
又、フライホイールボルトやカムシャフトのスプロケット等で、エンジン内部や作業後間もなく動かしたい場所に重宝してるのはテープタイプのloctiteの249。
ネジロック剤としては少々割高な上にテープなのでスティックの248に比べて作業性が良いとは言えませんが、液の様に垂れない事はもちろん30分程度には実用硬化するところがメリットです。
このエンジンはバルタイ調整直後に走行する為、カムスプロケットの固定ボルトにテープタイプの429を使っています。
ちなみにテープタイプの629は、完全硬化後には6mmナットですら1N・m以上のトルクをかけ続けないと回せないレベルでネットリとした廻り止め効果を持続発揮してしっかり目的を果たしてくれますので、中強度用としては非常に安心でもあります。
最近では、振動で緩んで脱落し易いオイルクーラーのマウントボルトにも使いましたが、経過良好です。
もちろんそれで緩まないわけではありませんので、定期的に点検やトルクのチェック等は必要ですが、知らない内にボルトが落ちていたなどと言う事態は回避できるようになります。