写真はZ系のリアホイールに使われる6304と呼ばれるサイズのベアリングです。
右から、Zが新車時代の純正の開放型、センターは金属カバーのシールドタイプ、左はオレンジの接触型ゴムシールの装備されたタイプです。
オープンタイプをホイルベアリングで使う場合はベアリングの外側に更にオイルシールを別に装着して、外部からのダストの侵入や潤滑の為のグリスの漏出を防止する必要があります。
又、新品時には防錆の為の油分しか塗布されていませんので、使用前にグリスを押し込んでやる必要があります。
昨今ではまずオープンタイプは使われませんが、昔の整備書等を見るとホイールベアリングに定期的にグリスを圧入の指示が記載されている様な車両もありました。
オープンタイプに換わって使われる様になったのは、この金属シールタイプです。
金属シールは製造時に組み込まれており、外せませんのでメーカー側でグリスを圧入した状態で出荷されます。
ちなみに、金属カバーは大きなダストの侵入は防止出来ますが、内輪との間には隙間があり防水や防滴では無い為、雨風に当たる可能性のある車両のホイールに使うにはやはりベアリングの外側にオイルシールを装着する必要はあります。
本来外せないカバーを取り外してみたところ、かなり多くの量のグリスが封入されています。
ただ、前記の通りに金属カバーと内輪の間には隙間があります為、ある程度走行距離が延びるとその隙間から熱で柔らかくなったグリスが漏出して来ます。
補充は出来ませんので交換となりますから、このタイプのベアリングの寿命はそれ程長く無い場合もあります。
こちらは接触ゴムシールタイプです。現代の主流はこのタイプで、ちなみにリアホイールの場合はエンジンのパワーにより走行中の荷重が大きく、発熱します為にベアリングとレース間のクリアランスが標準品より大きなものが使われます。C3はクリアランスを表していますが、エンジン内部のベアリングも同様です。
回転させるとわかりますが、内輪に対してリップが当たってシールしています。
接触している分回そうとすると僅かな回転抵抗はあるのですが、走行中に柔らかくなった内部のグリスがリップと内輪の間を潤滑して、シールの摩耗を防ぐと同時に外部からの水分の侵入を完全にシャットアウトしています。
グリスの漏出もありません為に現行車では全てこのタイプですが、Z1系ではドラムブレーキ部分にはこちらのベアリングが最適です。ブレーキシューのダストの防止はもちろん、ブレーキ部分にベアリンググリスが漏れ出して飛散しては大変よろしくないからです。
原則的に、弊社で整備を行う車両は全てこのタイプのベアリングを使います。
又、ユーザー様用にパーツとしてのラインナップもしています。
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