Z1 等のパーツマニュアルだと Kawasaki 12048-001 TENSIONER ASSY,CHAIN と記載されている部品。
マニュアル通りにカムチェーンテンショナーと呼んだ場合、シリンダーブロックの外側からロッドで押すパーツと区別が付きにくい為、弊社ではスイングして使用する形状から”テンショナーアーム”と呼んでいます。
ちなみに、この純正のカムチェーンテンショナー 12048-001は数年前に販売終了となっており、弊社では代替品として”テンショナーアーム”として製作したものを販売しています。
http://pamswebshop.my-store.jp/shopdetail/000000000001/ct42/page1/recommend/
さて、この純正部品については販売終了前に品質機能部分について重大な問題があり、弊社でも数十台もの破損したものを点検整備した経験から数年前に対策を始めてその際に記事にもさせていただいたのですが、今でもかなりの数の純正部品が組み込まれたまま使用されている車両は多いらしく、今でもカムチェーンの音が非常に大きくなってしまったのですがと言うお話を聞く事があります。
この為、当時にでもオーバーホールされた際にもしも対策される事無く純正のカムチェーンテンショナー 12048-001のメーカー新品を組み付けされたという車両もしくはその可能性がある場合は必ずエンジン分解して交換される様、あらためて注意喚起致します。
理由としては、販売終了前数年間にメーカーから出荷販売されたものは、ローラーのニードルベアリングを支える軸となるカラーの硬度が本来必要な硬度が全く無いものが使用されており、早期の変摩耗が発生して何度カムチェーンの張りを調整してもチェーン音が収まらず、それどころか最悪ローラーのロックが発生して重大な破損を招いた実例が続出した事にありました。
どの位硬度が無いかと言えば生鉄レベルで、変摩耗してしまうロットの軸は文具用のカッターナイフで容易に傷を入れる事が出来る程です
詳細を記載した当時の経緯の記事のリンクも参照して下さいませ。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=12058
http://www.pams-japan.com/diary/?p=12074
http://www.pams-japan.com/diary/?p=15678
http://www.pams-japan.com/diary/?p=15705
http://www.pams-japan.com/diary/?p=17613
http://www.pams-japan.com/diary/?p=22255
http://www.pams-japan.com/diary/?p=26856
以上の事実より、オーバーホール時に当該純正部品を使用された可能性がある車両の場合は絶体に無理にチェーンを張る様な事は行わない様にして下さい。
弊社でも、ユーザーさんがチェーンの音を消そうとマニュアルテンショナーを使用して重大な破損に至ってしまい、エンジンを全分解する必要になったものを何台も整備しています。
変摩耗した軸部と、ロックにより削られたローラー
例えばカムチェーンテンショナーを調整しても音が消えない等の車両は、高確率で既にその可能性がありますし、エンジン外側に装着されているテンショナーを交換しても対策にならないばかりか更にエンジンを痛める可能性が大ですので。