Z1系のチェンジリターンスプリングです。
シフトレバーの奥側、クランクケースとの間に入っているスプリングで、シフトチェンジ時にレバーを中立位置迄戻す役割があります。
初期のZ系はこの巻きが3巻きなのですが、その分ストローク量に対しての変形量が大きくなる為、ある程度の距離を走行した車両ではスプリングそのものがへたってしまっているばかりかある日突然折れる事があります。
そうなるとシフトペダルが中立位置まで戻らなくなる為、構造上ギアシフトが出来なくなってしまいます。
又、折れる迄に至っていない車両でも、センタリングのテンションが怪しくなってきているものは結構見る事があります。
その為、何かの整備でトランスミッションカバーを開けた際には、予防的に交換するのがお勧めなパーツなのですが、純正部品は以前に販売終了となってしまい、弊社ではその際にまとめた量を製作してそれを使って来たのですが、在庫が無くなったところで再製作しようとしましたら加工していただいた職人さんが既に引退されたという事で、完全に新規製作する事になりました。
実は、単純に巻くのみのスプリングであればそれ用の自動機で量産は可能なのですが、このストレートになっている部分の曲げと公差具合が結構微妙なのです。
この部分を雑に曲げると、ペダルが中立位置にある時に上下にガタが有る様になってしまう為、精度が必要になります。
今回は新規という事で治具も新しく製作し、部品としてのラインナップ販売も可能な量を製作出来る様にします。