クラッチ貼り付きと思われる症状が出て入庫したZ1。(D1カラー)
とても綺麗に乗られていますね!
ただ半年ほど前にフリクション&メタルプレート共に交換してあるとお聞きしていた為、少々???マークが頭の中で浮かびつつも、まずはクラッチカバーを開けて点検。オペレーションプレートを留めるボルト5本に緩みもなく、見た所おかしな所はございません。やはり単純に張り付きなのでしょうか?
オペレーションプレートを取り外してみます。
ん???
画像では、ハウジング側に見えるのはフリクションプレートで、手前のオペレーション側にのっているのはメタルプレートです。
錆びてます。
もし全てのフリクション&メタルプレート間で起こっているのだとしたら、強烈な張り付きが発生していた理由も納得できます。更にバラしてゆきます。
取り外した全てのフリクション&メタルプレート。一見してわかる位完全に錆びています。
画像上がフリクションプレート。
そしてこちらがメタルプレート側です。クローズUPしてみるとサビの発生具合がよくわかると思います。
ハウジング側も同様にサビが出ています。
J系と異なり腰下を割らずにハウジング本体を取り外す事が出来ないため、この状態で出来る限りサビを除去します。
サビの発生があまりにも酷いため、オイル交換も行いました。やはりフィルター室にはオイルに溶けだしたサビと思われる物が溜まっていました。フィルター君お疲れ様です。
清掃を済ませたクラッチハウジングに新しいPAMS クラッチKITを組み込みます。
あとはオペレーションプレートとカバーを閉めて全ての作業は完了です。
今回この様なサビが発生し、結果的に「張り付き」というトラブルに至ったわけですが、気になるのはやはり「なぜ?」です。
取り外した直後のカバー裏ですが、ご覧のように乳化したオイルがベッタリと付着していました。従って何らかの理由によりケース内に水気呼び寄せてしまったと推察できますが、こうなるとクランクやミッション等も少々心配になりますね。冬場にありがちな結露もこの時期には起こりにくいですし。
唯一気になったのは、ブローバイホースに装着されていたフィルターが目詰まり気味だった事で、そうするとそこから水蒸気として抜けきらずケース内に水分が溜まってしまったのではないかと疑いをかけています。
ファンネル仕様で且つブローバイホース上にフィルター等を使用されている場合は、時々その状態をチェックしてくださいね。
ここからはPAMSクラッチKITについて少し宣伝です。
画像上のにある5本のボルトとリテーナーもクラッチKIT内に含まれています。純正ワッシャー形状をリテーナー形状とする事でスプリングのセンタリングをより正確にし、操作性と作動性の向上を図っています。また純正よりも自由長の長いスプリングを使用し、レバー操作は軽いのに圧着力はUPという相反する様な条件を満たしています。
また付属カラーにより圧着力の調整も可能となっています。
そして使用するフリクションプレートは全てFCC製。
PAMS クラッチKIT は税別¥20.000 です。
「軽いのにキレがある」、と言うとまるでビールの宣伝にも聞こえてしまいそうなんですが、皆様から地味にご支持を頂戴しているオリジナルパーツだったりします。クラッチ交換の際には是非ご検討くださいませ。